第51話

EP. 49
1,818
2023/02/12 11:56







_@_
ところでユンギ
お願いがあるんだけれど
_@_
_@_
…聞いてやらないことも無いですよ
_@_
あっそう




一触即発の火花を散らしながら、

大公は無理やり引きつった笑みを浮かべる。




_@_
あなたを、
_@_
却下
_@_
まだあなたしか言ってないだろ!
_@_
あなたに関することは全部却下です
_@_
あのね、本当にお前は馬鹿
_@_
聞け




ユンギ様は至極嫌そうな顔をして

私の髪を指に絡めながら大公を睨んだ。




_@_
あなたを貸して。一時間だけ
_@_
ほら、どちらにせよ却下
_@_
貸すってなんです?
物じゃないんですけど
_@_
そもそも僕が招待したのは
あなたなんだから
_@_
お前はおまけだろ?従え
_@_
アンタみたいな横暴な大人に
あなたは預けられませんね
_@_
僕だってお前じゃなければ優しくするよ
_@_
あなたにはとことんね
_@_
下心丸見え
_@_
聞こえてるよ!




ユンギ様は激高する大公を無視して、

ずっと黙っていた私と目を合わせる。
 
こちらを向いた瞬間にその表情が柔らかくなるから

少し不思議な感じだ。




_@_
あなた、お前はジニヒョンと居たいか?
…え、っと
_@_
…ユンギ、お前はいつも
答えにくい聞き方して
_@_
ヒョンは黙っててください
_@_
_@_
どうなんだあなた
…、私




大公の言う通り、

ユンギ様はわざと答えに困る尋ねた方をする。
 
喉元まで出かけた言葉を何度か飲み込みながら、

もごもごと口を動かした。




わ、若様、と、ご一緒させて…いただければ




私がそう発すると、

ユンギ様の目は大きく見開かれて。
 
反対に大公は、満面の笑みを浮かべる。




_@_
うんうん、いい子だね ㅎ
_@_
おいであなた、
僕がおもてなししてあげる




大公が私の手に触れようとした瞬間、

ユンギ様の手が ガッ と大公の手首を掴んだ。




_@_
…触らないでください
_@_
はぁ? お前ね…
見苦しいったらありゃしないよ
_@_
執着はよしな
_@_
アンタがあなたに
付き纏わなければそうします
_@_
付き纏う?それは語弊があるだろう
_@_
事実でしょ
俺の娘に触るな
_@_
…身の程を知れ、この僕に命令するのか




お互いの口調が威圧的で荒々しくなっていき、


何をそんなに揉めているのか理解できないが

パーティーにこんな雰囲気は似つかわしくない。




私はただ、大公が

何をしてくださるのか気になっただけで……
 
……1時間すら、いけませんか、ユンギ様




じ、じゃあユンギ様!




私はできるだけ明るい声音で言って

ユンギ様の服の裾を引っ張る。




ユンギ様も一緒にいてください
そしたら…大丈夫ですよね?
_@_
…僕はあなた1人に来て欲しいのに




顔が鬼のように強ばっていたユンギ様は、

ふっと笑って服を掴む私の手を握った。
 
その優しい眼差しに、私の心は安堵して。




_@_
お前がそれでいいなら構わないよ
…!
_@_
…本当に
_@_
どうかしちゃったんじゃない?ユンギ
_@_
怖いんだけど
_@_
勝手に怖がっててください




私の手を握ったままでいるユンギ様を

大公は軽蔑するような目で見据える。
 
この口論の間もずっと、

ナムジュンさんは一言も話さなかった。

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