第47話

EP. 45
1,935
2023/02/07 12:00







大公の大きすぎる別邸に到着すると、

ユンギ様は先に馬車から降りた。
 
私も同様に下車しようとすれば、

ユンギ様がいつものように手を差し伸べてくださる。




…あ、ありがとうございます //




こういう行為は執事や御者の仕事だけれど、

私はこうしてユンギ様の手に触れるのが大好きだ。




馬車から降りて改めて邸宅を見上げると、


石階段の上に視界には収まりきらないほどの

ゴージャスな屋敷が広がっている。
 
これが本邸ではなく "別邸" だなんて……




たくさんの馬車が行き交う石畳の広場にも、

豪勢な噴水が鎮座していた。







_@_
おいであなた




手を取ったままユンギ様は階段を上り始め、

私はドレスの裾をあげて彼に続いた。
 
風が吹くと髪が揺れて、

長く垂らしたリボンの尾がなびく。




階段を上り終えると、そこには色とりどりの

ドレスを身にまとった貴族達が立っていた。
 
場馴れしていない子供の自分だけが

変に浮いているような気がして、


畏怖から固唾を飲み込む。




_@_
ㅎ あなた、緊張してるのか?
…す、少しだけ




彼は短く笑ったあと、私の額にそっとキスをした。




_@_
自信を持て、お前は大公に
直接招待されたんだから
_@_
それに、お前はこの俺の娘だ
…っ //
_@_
"ミン公爵" の娘を貶す
命知らずがどこにいる?
_@_
俺の傍に居れば何も怖いことはないよ




ユンギ様の目が優しくて、

緊張も不安も洗い流されていくようだった。
 
彼の腕にギュ…っと抱き着くと、

彼は満足そうに小さく笑って。




_@_
ㅎ それでいい




頭の上に2つ目のキスが落とされると

私の顔は一層赤らんだ。

プリ小説オーディオドラマ