私たちがルシファーに監禁されていたという事実は世間から消えていた。
西園寺一族で全ての人間の記憶から消したのだ。
知っているのは、私の周りの人間、宙,心菜,矢上くんと警察のじいちゃんと親しい人だけだ。
私たちは今まで通りの普通の日々に戻った。
でも、ちょっと変わったこともある。
──ねぇ、さっきから疑問に思ってるんだけど………
なんで、宙の上に西園寺さんが座ってるの?
え?
……………
私は今、宙の膝の上に座っている。
宙は私の椅子に座っている。
そして2人でスマホをいじっている。
ここ私の席なんだけど、私がトイレ行ってる間に宙が座ってて、
仕方なく立ってたら、引っ張られてこうなったわけ。
俺たちより、ラブラブだよね(笑)
だって、くっついていたんだよ
か、宙………///
というか、いつの間に付き合ったの!?
やっぱり好きだったじゃんかー!
私の舞琴が………っ!
へっ(笑)
舞琴は俺のだ!
く、くっそ………!
心菜、言葉が汚いよ(笑)
舞琴ぉぉぉ~!
「ギュッ」
あ、俺の舞琴に抱きつくなっ!
ははは………(笑)
2人が付き合っていることは
瞬く間に全校に広まった。
姫が………
王子が……
西園寺さんが………
宙様が………
「付き合ってるぅぅぅ!?!?」
あー、うるさくなりそうだ……
まあまあ(笑)
というか、みんなの前で猫かぶらなくていいの?
宙様ぁ!!!
ほ、本当なの!?
いやぁぁぁ!!!
うるせぇなぁ………
見ての通りだろーが
あ、あれ、宙……?
面倒くさくなったから
もういいかな~って
そっか(笑)
西園寺さんっ!!!
本当ですかっ!?
うん、見ての通りだよ(笑)
あ、お前ら!舞琴に近づくなっ!
うちのNo.1同士が………
希望の光がっ………
ルシファーがいなくても、
しばらく学校は闇に包まれていた(笑)
・
・
・
下校中
ねぇねぇ、
ん?
矢上くんから聞いたんだけど……
うん?
宙、私と付き合う前、私のことが好きすぎて矢上くんにその思いをぶちまけてたの?
は………///?
瑠郁が?いつ?そんなこと言ったの?
えっとねぇ………
~回想~
西園寺さんっ!
おぉ、矢上くん!
宙と付き合ったんだね!
おめでとうっ!
ありがとう!
そんな幸せ絶頂な西園寺さんにいいこと教えてあげる♪
え?なになにー?
宙ね、中2くらいから西園寺さんのこと好きで、ほぼ毎日俺の家に来ては、
「舞琴が可愛すぎて辛いっ……」
「あいつ、距離感が近い……///」
「マブダチでいることが辛い……」
て言ったり、
少女漫画を見ては、
「前、舞琴に壁ドンやったけど全然効果なかったんだよな~」
「無理やりキスしたら怒るよな……」
「ほんと、あいつ鈍感だわ~」
て言って、少女漫画で研究したり、願望呟いたりしてたんだよ~
宙がそんなことするなんて……///
そうそう、そのせいで俺と心菜が全然イチャつけなかったんだよ~
す、すみません………///
まぁ、結果的に2人とも幸せになってくれたからいいんだけどねっ!
回想終了
……て言ってたの!
あの野郎っ………///!
宙、意外と乙女なんだね(笑)
そんなに私の事好きだったんだ(笑)
っ………///
(あ、そうえば………
矢上くんあんなこと言ってたけど///)
(どうなんだろう……
やってみるか///)
ね、ねぇ、宙ー
ん///?
少し照れながらこっちを向く宙を引っ張って私は……
チュッ……
キスをした。
///!?!?
まっ…ま、舞琴さんっ///!?
あ、ほんとに顔を真っ赤だ……!
え、何、急にっ///!?
別にぃ~(笑)
つか、舞琴も顔真っ赤だよ(笑)
は、初めて自分からするから………///
恥ずかしがる舞琴を見て胸のときめきを覚える宙
(可愛すぎかよっ……///)
(やってみたものの、
恥ずかしすぎるよっ……///)
(矢上くんの言う通りにしたけど///)
~回想続き~
あ、あとね、
うん?
宙に西園寺さんの方から、
うん?
キスしてあげて♡
うん…………ん!?
え、き、キス///!?
キスって、あの「キス」!?
魚の「キス」じゃなくて、
接吻の方の「キス」!?
うん、そのキス(笑)
なんでまたそんなハードなこと…///
宙、絶対喜ぶと思うよ~
あと、宙の真っ赤なゆでダコ顔が見られる(笑)
そ、そう?じゃあやってみる……///
うん、頑張れっ♪
回想終了
舞琴……
んー?
これからは「1日1回はキスする」を
目標にしよう!
へ!?と、唐突だね……///
実は舞琴からのキスが超絶嬉しかった宙。
またされたいと思い、これを提案したのだ。
どう?
えー………
嫌?
べ、別に嫌ではないけど……///
じゃあ、いい?
いい……よ………///
うんっ!(よっしゃぁ!!!)
心の中で思いっきり喜ぶ宙(笑)
恥ずかしがる舞琴
それを遠くから見守る2人の影………
西園寺さん、やったね!
くっそ、宙くんめっ………!
やっと平穏な日々に戻り、楽しく幸せに暮らす舞琴と宙であった。
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