第44話

41
244
2021/03/12 12:01 更新
あなた
ねぇお母さん!
なに?
あなた
見て!お花!
うん、綺麗ね
あなた
綺麗!
あなた、おいで、
あなた
あなた
うん、
あなた
なぁに?
あなた、あなたにこれをあげよう
あなた
なにこれ?
あなた
宝石みたい、
あぁ、綺麗だね
あなた
うん、
その時貰った藍色の大きな宝石のついたブローチ、









その時から、ずっと離さず持っていた










かわいくて、とっても綺麗で









私は、大好きだった。
あなた
きれー!
でもある日、












そのブローチが壊れた、










悲しくて、たまらなかった、










でも、母と父にそれを言ったら
そうか…でも、仕方ないな、
形あるものはいつか壊れるって言うし、
気にしなくていいのよ?
そう言ってくれた、










そのあと、










父が病気で亡くなった、










流行り病だった、











死ぬ時は案外あっけなかった、











大好きだったお父さん、












最後に残した言葉は、


















        『大好きだよ』





















それだけだった











私も一緒だよ、










そう言ってあげたかった。











父の葬儀が終わって、











その後は、母と私の二人暮らしになった、










父が亡くなっても、







母は変わらず優しかった、










口癖は『大丈夫だよ』だった。











実際は、全くそんなんじゃなかった、

プリ小説オーディオドラマ