第38話

ほんまにそれだけ?
4,463
2020/11/21 12:14




















7月中旬




















結月:……さっぱりわからん……




あなた:どこ?




結月:ここ……




あなた:ここはね……





















期末テスト期間に突入して

あたしと結月も図書室で勉強をしていた






















結月:なるほど!やっぱわかりやすいわぁ!




あなた:よかった!




結月:あなたって頭ええし教えるのも上手いよな




あなた:そんな事ないよ( 笑 )




結月:そんな事ある!よーしもうひと頑張りや!




あなた:あたしちょっと参考書取ってくるね!




結月:おん!行ってらっしゃい!





















テスト期間だから部活動もないのか

運動部であろう生徒達も図書室で勉強をしていた



















あなた:えっと………あ,あった……!



















窓際の一番端の本棚

そこにあたしの探していた参考書があった

だけど______


















あなた:……これは届かない……






















あたしの身長ではとても届かない所に

その参考書は置かれていた

脚立を取りに行くのが面倒くさくて

あたしは背伸びをしながら頑張ってみたけど

やっぱり無理だった






















あなた:脚立どこにあるんだっけ……




















諦めて脚立を取りに行こう

そう思って振り返った時______























『 この参考書であっとる? 』
























背後にいた人があたしの後ろから参考書を取った






















治:ん,これやろ?




あなた:お,治くん……?




治:ちっこいんやからこれは無理やろ



















治くんはそう笑いながら

あたしに参考書を手渡した



















あなた:あ,ありがとう……




治:ええよ別に






















二人きりでこうして話すのは

久しぶりかもしれない______


















あなた:お,治くんも勉強……?




治:おん。教室でバレー部で集まってやっとったんやけど,俺も参考書探しに来たんよ




あなた:そうだったんだ……!

















そういえば侑くん,

赤点とったら合宿に行けないって騒いでたっけ






















治:………なぁ




あなた:?




治:ツムと仲ええの?




あなた:え……?




















治くんは窓に寄りかかりながらそう聞いてきた

何で_____そんな事を聞くの?




















あなた:仲は……良いのかな?隣の席だし……




治:それだけ?




あなた:え?




治:ほんまにそれだけ?




あなた:治くん………?






















真剣な顔で見詰めてくる治くん

それと同時に近づいてくる人の声

今の状況を____見られたらまずい



















あなた:あ,あたし戻らないと………




















そう言って結月の所に戻ろうとした時






















治くんに腕を引っ張られて窓に押し付けられた























そしてそのまま
































______唇が重ねられた。















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