7月中旬
結月:……さっぱりわからん……
あなた:どこ?
結月:ここ……
あなた:ここはね……
期末テスト期間に突入して
あたしと結月も図書室で勉強をしていた
結月:なるほど!やっぱわかりやすいわぁ!
あなた:よかった!
結月:あなたって頭ええし教えるのも上手いよな
あなた:そんな事ないよ( 笑 )
結月:そんな事ある!よーしもうひと頑張りや!
あなた:あたしちょっと参考書取ってくるね!
結月:おん!行ってらっしゃい!
テスト期間だから部活動もないのか
運動部であろう生徒達も図書室で勉強をしていた
あなた:えっと………あ,あった……!
窓際の一番端の本棚
そこにあたしの探していた参考書があった
だけど______
あなた:……これは届かない……
あたしの身長ではとても届かない所に
その参考書は置かれていた
脚立を取りに行くのが面倒くさくて
あたしは背伸びをしながら頑張ってみたけど
やっぱり無理だった
あなた:脚立どこにあるんだっけ……
諦めて脚立を取りに行こう
そう思って振り返った時______
『 この参考書であっとる? 』
背後にいた人があたしの後ろから参考書を取った
治:ん,これやろ?
あなた:お,治くん……?
治:ちっこいんやからこれは無理やろ
治くんはそう笑いながら
あたしに参考書を手渡した
あなた:あ,ありがとう……
治:ええよ別に
二人きりでこうして話すのは
久しぶりかもしれない______
あなた:お,治くんも勉強……?
治:おん。教室でバレー部で集まってやっとったんやけど,俺も参考書探しに来たんよ
あなた:そうだったんだ……!
そういえば侑くん,
赤点とったら合宿に行けないって騒いでたっけ
治:………なぁ
あなた:?
治:ツムと仲ええの?
あなた:え……?
治くんは窓に寄りかかりながらそう聞いてきた
何で_____そんな事を聞くの?
あなた:仲は……良いのかな?隣の席だし……
治:それだけ?
あなた:え?
治:ほんまにそれだけ?
あなた:治くん………?
真剣な顔で見詰めてくる治くん
それと同時に近づいてくる人の声
今の状況を____見られたらまずい
あなた:あ,あたし戻らないと………
そう言って結月の所に戻ろうとした時
治くんに腕を引っ張られて窓に押し付けられた
そしてそのまま
______唇が重ねられた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。