______半年前。
治:なぁツム
侑:何やねん
治:俺,彼女出来た
侑:へぇ……………はぁ!?!?
ソファで雑誌を読んどる俺に
サムが突然そないな事を言いよった
侑:ほんまに?
治:ほんま
侑:え,告られたん?
治:ちゃう。告った
侑:はぁ!???
サムは俺と同じでかなりモテる
せやから告白された回数やって馬鹿みたいにある
そんなサムが_____自ら告った?
侑:好きな子おったん?
治:まぁな
侑:同じクラス?
治:おん
" めちゃくちゃ可愛ええ奴やで "
サムは自慢気な顔で俺にそう言いよった
治:隣の席の子でな,入学当初からずっと好きやってん
侑:……お前に好きな子がいたの知らんかったわ
治:ツムに言うたら馬鹿にされると思っとったから言わんかった
" ちなみに角名達は知っとるで "
何やねん。知らんかったのは俺だけかいな
侑:……まぁ,良かったやん
治:おん。おおきに
俺と同じくらいモテとるけど
俺と同じくらい女に興味が無いサムが
彼女を作ったことには驚いたけど
誰と付き合っとるんかとか
そこまで聞くほど興味は無かった
治:んで彼女が可愛くてなぁ
侑:へぇ
俺はサムから彼女の惚気話をよう聞かされとった
まぁ誰かに話したいだけやろうし
聞いてるようで聞いとらんかったけど
サムはほんまに彼女の事好きなんやなってわかるくらい
ほんまに幸せそうやった
______やけど付き合って4ヶ月経った冬のある日
治:………
侑:?どないしたん?腹でも減ったんか?
治:………彼女と別れた
侑:………は?
あんなに毎日幸せそうに惚気けとったのに
突然______サムは彼女と別れてしもた
侑:フったん?
治:いや……フラれた……というか……
『 俺______彼女に騙されとったんや。』
侑:は?
治:彼女に別れよう言われて,何でやって問い詰めたら…
『 俺がモテとるから
落としたかっただけやって言われてもうた。』
俺達はモテる
やからそんなモテる俺達をわざと落とそうとして
媚びを売ってくる奴やって少なくない
サムが本気で好きになった彼女は
サムを本気で好きやったわけやなくて
落とす為に______騙しとったんや
侑:………ま,元気出しや
治:……なぁツム
侑:?
" 俺,騙されとったって知ったのに
彼女の事____忘れられる気せぇへん "
サムは頭を抱えて俯きながら
辛そうにそう言っとった______。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。