第55話

お姫様気分。
3,715
2020/11/28 12:24




















あなた:疲れた〜…!




結月:初日からえらい疲れたなぁ

















無事初日の練習を終え

部員達は今夕飯を食べている

あたし達は先に洗濯物を取り込んで

部員達が食べ終わってから自分達も食べて

そのまま食器を片付ける予定だ



















結月:いやーでも侑くん優しかったなぁ




あなた:え?




結月:ほら,あなたが" 水分補給せなあかん "って言われた時




あなた:あ………
















あれにはあたしも驚いた

もしかしたら目眩がした事もバレていたのかもしれない

だけど自分達よりも暑さに慣れていないんだから

自分達よりも小豆に水分補給とらなきゃいけないなんて

侑くんから言われると思ってなかった





















結月:ちゃんと見とるんやな




あなた:え……?




結月:やって,ちゃんと見とらんとあんな事言わんくない?



















結月は顔を覗き込みながらそう言った

侑くんは______あたしの事を見てくれている?





















結月:よし,終わり!私達もご飯行こ!




あなた:うん!…………あれ?




















結月と食堂へ行こうとした時

体育館の中にタオルが落ちているのが見えた



















あなた:これ,誰のだろう…?




結月:今時名前なんて書かんよなぁ。でもコートの場所的に井闥山の人のっぽくない?




あなた:あたし,掌くんに聞いてくる!




結月:おん。先に食堂行っとるで!


















あたしはそう言って結月と別れた

そして掌くんを探しに廊下を歩いていた時だった




















古森:あれ,あなたちゃん?




あなた:!古森くん…!
















掌くんを見つけるよりも先に

廊下にいた古森くんと佐久早くんに遭遇した















あなた:お疲れ様です…!




古森:お疲れ様。誰か探してるの?




あなた:あ,うん…掌くんを!




佐久早:……そのタオル俺の




あなた:え?

















佐久早くんはあたしの持っているタオルを見て

自分のだと言った


















あなた:これ佐久早くんのだったんだね!体育館に落ちてたよ!




佐久早:ありがと




古森:良かったな見つかって

















持ち主が見つかったのなら掌くんを探す必要はない

あたしは結月が待つ食堂へ足を向けた____その時




















古森:ねぇ




あなた:?






















『 沢山の男共を振り回す気分ってどんな感じ? 』




















あなた:………え?




古森:だってこの大勢の男達の中に数少ない女子。お姫様気分じゃないの?




あなた:え………?


















古森くんは急に笑いながらそんな事を言い出した

















古森:ましてやあなたちゃんは主将にも,稲荷崎( ソッチ )の部員達からも愛されてる




あなた:え………




古森:どうせ今までも,みんなから愛され,ちやほやされながら育ってきたんだろ?


















" だからお姫様気分味わいに合宿来たんだよね? "

古森くんはあたしにそう言ってその場を離れた

あたし_______そんなつもりじゃなかったのに。









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