あなた:疲れた〜…!
結月:初日からえらい疲れたなぁ
無事初日の練習を終え
部員達は今夕飯を食べている
あたし達は先に洗濯物を取り込んで
部員達が食べ終わってから自分達も食べて
そのまま食器を片付ける予定だ
結月:いやーでも侑くん優しかったなぁ
あなた:え?
結月:ほら,あなたが" 水分補給せなあかん "って言われた時
あなた:あ………
あれにはあたしも驚いた
もしかしたら目眩がした事もバレていたのかもしれない
だけど自分達よりも暑さに慣れていないんだから
自分達よりも小豆に水分補給とらなきゃいけないなんて
侑くんから言われると思ってなかった
結月:ちゃんと見とるんやな
あなた:え……?
結月:やって,ちゃんと見とらんとあんな事言わんくない?
結月は顔を覗き込みながらそう言った
侑くんは______あたしの事を見てくれている?
結月:よし,終わり!私達もご飯行こ!
あなた:うん!…………あれ?
結月と食堂へ行こうとした時
体育館の中にタオルが落ちているのが見えた
あなた:これ,誰のだろう…?
結月:今時名前なんて書かんよなぁ。でもコートの場所的に井闥山の人のっぽくない?
あなた:あたし,掌くんに聞いてくる!
結月:おん。先に食堂行っとるで!
あたしはそう言って結月と別れた
そして掌くんを探しに廊下を歩いていた時だった
古森:あれ,あなたちゃん?
あなた:!古森くん…!
掌くんを見つけるよりも先に
廊下にいた古森くんと佐久早くんに遭遇した
あなた:お疲れ様です…!
古森:お疲れ様。誰か探してるの?
あなた:あ,うん…掌くんを!
佐久早:……そのタオル俺の
あなた:え?
佐久早くんはあたしの持っているタオルを見て
自分のだと言った
あなた:これ佐久早くんのだったんだね!体育館に落ちてたよ!
佐久早:ありがと
古森:良かったな見つかって
持ち主が見つかったのなら掌くんを探す必要はない
あたしは結月が待つ食堂へ足を向けた____その時
古森:ねぇ
あなた:?
『 沢山の男共を振り回す気分ってどんな感じ? 』
あなた:………え?
古森:だってこの大勢の男達の中に数少ない女子。お姫様気分じゃないの?
あなた:え………?
古森くんは急に笑いながらそんな事を言い出した
古森:ましてやあなたちゃんは主将にも,稲荷崎( ソッチ )の部員達からも愛されてる
あなた:え………
古森:どうせ今までも,みんなから愛され,ちやほやされながら育ってきたんだろ?
" だからお姫様気分味わいに合宿来たんだよね? "
古森くんはあたしにそう言ってその場を離れた
あたし_______そんなつもりじゃなかったのに。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。