第73話

階段から。
3,360
2020/12/13 12:51




















あの日から何故かあなたとあんまり連絡が取れんくなった

忙しかったんやろか?それとも

______何かあったんやろか?






















男子:お,侑おはよー!




侑:はよ




女子:キャー!侑くん!




女子:久しぶりに見れて嬉しい〜!

















そのまま新学期が始まった

久々に喧し豚共にギャーギャー言われる

ほんまあなたとは大違いや





















侑:はよーッス




結月:あ,侑くんおはよ




侑:はよ………って,あれ?


















今日も勿論朝練はあった

やから教室に着いたのはHRのギリギリや

やけど日野の後ろの席,そうあなたの席には

まだ誰も______座っとらんかった


















侑:あなたは?




結月:それがわからんのよ。連絡入れたんやけど返信なくて




侑:え?



















あなた______どうしたんや?





















あなた:間に合った……!




結月:!あなたおはよ……って……




侑:ッ!!!!




あなた:結月,侑くん,おはよう!

















HRのチャイムと同時に教室に入ってきて

いつも通り" おはよう "と微笑むあなたの右頬には

大きな湿布のような物が貼られとって

更に小さな痣がちらほら付いとった



















結月:あなた……それどうしたん……!?




あなた:あ,これ?朝から階段から落ちちゃって!




侑:階段……?





















" だからこんなギリギリ登校なの "

あなたはそう笑っとったけど

それ,頭から落ちたってことよな_______?



















結月:もー,気をつけるんやで?




あなた:はーい!



















日野がそう言うとあなたは笑って席に着いた

引きずっとる足。まだ治ってなかったんや































角名:え,船水さんそれどうしたの?




治:あなた!?




あなた:階段から落ちちゃったの




治:階段から……?

















休み時間,角名とサムが俺たちのクラスに来ると

やっぱりあなたの顔を見て驚いとった

やけど返す言葉は______同じや






















結月:ほなまた明日なぁ!




あなた:うん!また明日!


















放課後,あなたはそう微笑んで教室を出ようとした

俺は______あなたの手首を掴んだ

















あなた:?侑くん……?




侑:……ほんまに階段から落ちたん?




あなた:え………?


















あなたは驚いたように俺を見上げた

やけどやっぱり______
















あなた:うん,そうだよ。まだ痛い足を引きずってたら滑って階段から落ちちゃったの


















返ってくる言葉は同じやった

俺は何となく______理由はそれやない気がした。









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