『 お姫様気分味わいに合宿来たんだよね? 』
あなた:ん………
朝,あたしは重い瞼を開けた
携帯を見るとまだ朝の5時
結月も隣でまだ眠っていた
あなた:よく乾いてる……!
あたしはその後寝付けなかったので
一足先に着替えて洗濯物を取り込みに来た
侑:あなた?
あなた:!侑くん……!
あたしが洗濯物を取り込んでいると
後ろから侑くんに声を掛けられた
あなた:おはよう!
侑:はよ。早すぎん?まだ5時過ぎやで
あなた:目覚めちゃったから洗濯物取り込んじゃおうと思って!
侑:そか。よう眠れたか?
あなた:う,うん……!
嘘だ。
本当は古森くんのあの言葉が気になって
中々寝付けなかった
だからあまり寝付けないまま朝を迎えた感じだ
侑:今日も暑くなるみたいやから,ちゃんと水分とるんやで?
あなた:うん,ありがとう!
侑くんは優しく笑ってくれた
でも侑くんも実際は
" お姫様気分 "って思っているのだろうか?
あなた:よし!終わり!
侑:ん
あなた:え?
洗濯物を取り込み終わり運ぼうとした時
侑くんが手を出して来た
侑:運ぶから籠貸しぃ
あなた:え…?だ,大丈夫だよ……?
侑:ええから。はよ
侑くんはそう言ってあたしから籠を取り上げた
中々重かった籠を軽々と持ち上げるなんて
やっぱり男の子だな______
侑:此処でええの?
あなた:うん,ありがとう!
侑くんはそのまま籠をマネ部屋まで運んでくれた
結月はまだ起きてないみたい
侑:お礼が欲しいなぁ
あなた:え……?
" お礼が欲しい "
侑くんからこんな事を言われるなんて初めてだった
あなた:な,何が欲しいの?
侑:んーせやなぁ
侑くんは少し考えると
あたしに手を差し出した
侑:俺の手,握ってや
あなた:え?
『 今日も頑張れるパワー頂戴や。』
侑くんはそう言って笑った
あたしは侑くんの手をそっと包み込むように握った
あなた:今日も頑張ってね!
侑:おん,ありがとう
侑くんは満足そうに微笑むと
ゆっくりとあたしの手を離した
侑:ほな,また後でな
あなた:うん!
そう言ってあたしの頭を撫でる侑くんの手は
とても温かく______何処か懐かしかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!