翌日,3日目の練習が終わった
この日は何故か夕食後
井闥山も稲荷崎も全部員が集められた
飯綱:えーそれではこれから,
『 肝試しをしたいと思います!! 』
侑:肝試し!?
治:北さん,ええんですか!?
北:ああ,監督からの提案や
尾白:なんや,夏っぽいなぁ!
肝試しをすると知った瞬間
部員達は大喜びだった
あたし達は合宿所待機かな?
北:ほな,ペア決めるからくじ引いてや
あなた:え……?
結月:私達もですか?
飯綱:そ。強制参加!
あなた:えええ!?
あたし肝試しとか本当に苦手なのに
大丈夫かなぁ……
侑:……つまりあなたと同じくじを引ければ一緒に回れるっちゅー事か!!
治:……絶対に同じくじ引かせへん
侑:あ"ぁ!?それはこっちのセリフやクソサム!
治:絶対俺があなたとペア組んだるわクソツム
何で揉めているのかまではわからなかったけど
また侑くんと治くんは喧嘩をしていた
どうしてこんなに喧嘩するんだろう?
そう思いながらあたしは1枚のくじを引いた
北:ほな,決められたペアで順番に出発するで
侑:……そんな人生上手くは行かんって事かいな
治:……そういう事や
角名:何?何か不満あるの?
銀島:ほんま失礼な奴らやな
どうやら侑くんと角名くん
治くんと銀島くんという2年生同士のペアらしい
あたしが引いたのは" 6番 "で
あたしのペアは______
侑:なんっっであなたのペアがアランくんやねん!
尾白:何でって言われても……引いたくじの番号が一緒やったからやろ?
そう,侑くんから" アランくん "と呼ばれている
3年の尾白先輩だった
治:……くじ譲って下さい
尾白:はぁ!?
侑:何言うてんねんサム!抜け駆けすんなや!!
北:おいお前ら,不正行為は禁止や
双子:………はい
北さんによって大人しくなった侑くん達
いつの間にかあたし達の番が来ていて
あたしは尾白先輩と一緒に肝試しをスタートした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!