男性:あなたちゃん,もう上がってええよ
あなた:え…!?
男性:人待たせとるんやろ?
あなた:……!
先輩の視線の先には
先程買った物を外で飲んで待っている侑くんの姿
男性:めっちゃイケメンやなぁ。彼氏?
あなた:ち,違いますよ…!
男性:そうなん?待っとる言うてたから彼氏かと思ったわ
" どちにしろもう大丈夫やから上がり "
あたしは先輩の言葉に甘えて
少し早めの10分前に退勤させてもらった
あなた:侑くん…!
侑:!おん,お疲れさん
あなた:ありがとう…!ごめんね待たせて
侑:いや,俺が勝手に待っとっただけやから
侑くんはそう笑いながらあたしを出迎えてくれた
どうして待っていてくれたんだろう____?
侑:あ,そう言えばこれ美味いな
あなた:ほんとに?よかった…!
侑:また行くからそん時もあなたに決めてもらうわ
あなた:何それ( 笑 )でも任せて!
つまり侑くんはまた来ようとしてくれてるって事だ
何か____嬉しい
侑:あなた昼飯まだよな?
あなた:うん!
侑:俺もまだやねん。食いに行こや
あなた:え?でも……
侑:?この後予定あるん?
あなた:う,ううん!予定はない…けど…
侑:なら付き合ってや
あなた:え…!?
侑くんはそう言ってあたしの手を握ると
駅の方へ向かって歩いて行った
斜め後ろから見る侑くんの背中は
とても大きく____逞しかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。