あなた:行ってきます!
4月______始業式
今日から高校2年生。新しい生活が始まる
二度とあのような思いをしないように
なるべく大人しく過ごしたい______そう思った
女子:あ,あなたおはよー!
あなた:おはよう!
挨拶を交わすくらいの友達ならいる
けれど
胸を張って仲が良いと言える友達は_____いない
あなた:えっとあたしのクラスは………
新しいクラスが張り出された掲示板
群がる人の後ろについて自分の名前を探す
あなた:今年は2組か______
2年2組に書かれた自分の名前
特に新しいクラスに期待も何も無かった
何事も無く平和に過したい
ただただそれを願うばかりだった
あなた:あたしの席は……ここか
教室に入り自分の席を探す
あたしの席は廊下側から2列目
後ろからも2列目で結構端の席だった
あなた:( ここならひっそり過ごせそうだな…… )
あたしはそう思いながら席に着いた
早めの時間に来たからか
周りの席の人達はまだ来ておらず
クラスにいる人達も疎らだった
あなた:( そういえば……" あの人 "は何組だったのかな )
急に" あの人 "のクラスが気になった
同じクラスだったらどうしよう
でも気づかなかったくらいだから違うクラス?
そんな事を考えていると______
?:なぁ,名前なんて言うん?
あなた:へ………?
突然前の席に座った金髪の女の子に話し掛けられた
いつの間に座っていたのだろうか
全然気が付かなかった
結月:私,日野結月って言うねん!よろしゅう!
" 日野結月 "と名乗るその子は
どうやら名前的にあたしの前の席の子らしい
あなた:あ……船水あなたです
結月:あなたって言うん?可愛ええ名前やな!
あなた:え,あ……ありがとう…?
" これからよろしゅうな! "
そう笑う結月は今まで接したことのないタイプだった
寧ろ避けてきた方かもしれない
後に結月があたしにとって大切な存在になるなんて
この時は思いもしなかった______。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!