『 ちょ,あなたどないしたん!? 』
女子達のコートからそないな声が聞こえた
" あなた "という名前に反応して振り返ると
視線の先には____あなたが倒れとった
侑:あなたッ………!?
女子:え,あ,侑くん……?
俺は思わずあなたに駆け寄った
女子共が驚いとったけどそんな事気にしとる暇はない
俺は先生に一言言うて
あなたを抱き上げて急いで保健室へ向かった
保健医:寝不足か貧血かしらね。どちにしろ寝ていれば時期に目覚めると思うわ
侑:よかった………
保健医:ちょっと用があって席を外すんやけど,この子のことお願いしてもええかしら?
侑:あ,はい。わかりました
先生はそう言って保健室から出て行った
確かに寝不足やったのか
朝からあなたの顔色が悪い気はしとった
現に顔色が悪いし体調も悪いのかもしれん
侑:無理しすぎやアホ
俺はあなたの頭を優しく撫でた
するとあなたの目から____涙が溢れた
侑:………あなた………?
あなた:……ッ………
あなたは眠りながら涙を流していた
理由はわからへん。やけど
______何か相当無理をしているのかもしれへん
侑:………なぁあなた………
『 ほんまにサムを騙しとったんか______? 』
そんな気がするだけかもしれん
そう思いたくないだけかもしれん
やけどやっぱり俺は
あなたが人を騙すような奴では無いと思った
人の心を弄んで楽しむような奴には
どう頑張っても見えんかった______
侑:なぁあなた,自分は何を背負ってるん____?
誰にも言えない何かが彼女を苦しめている
そんな気がしてならなかった
そして俺はそんな彼女を
" 守ってやりたい "と思った______。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。