侑:ぜんっぜん分からへん!!!!
角名:バレーの理解力は化け物みたいなのに何で勉強は出来ないの?
侑:うっさいわ!勉強とバレーに使う頭は別や別!
銀島:侑は頭2個あるん?
侑:そういう訳ちゃうわ!
テスト期間に突入した
赤点を取ったら合宿に行かせない
北さんにそう言われて俺は必死に勉強しとった
侑:……ちゅーかサム遅ない?
角名:確かに
銀島:サボっとるんやない?
角名:侑じゃないんだから
侑:俺ならサボる言いたいんか!!
サムは" 図書室に参考書取り行ってくる "
って言うてから一向に戻ってこうへん
" 図書室で勉強するんだ______! "
侑:!
角名:?侑どうしたの?
侑:俺も参考書取ってくるわ!!
角名:はぁ?侑が参考書なんて読んでもわからな……ってもういないし
あなたが今日,
" 図書室で勉強する "って言うてた事を思い出した
もしかしたら______
そう思った俺は立ち上がって
気付いたら図書室に向かっとった
侑:………!やっぱり……!!!!
向かう途中の廊下から図書室が見えた
運が良いのか悪いのか
丁度見える窓際にサムとあなたが見えた
侑:( 何話しとるんや………? )
サムとあなたは何かを話しとるようやった
俺は立ち止まって暫く二人を見とった
侑:………は?
戻ろうとしたあなたの腕をサムが掴んで
そのまま窓に押し付けて
______あなたにキスをしよった
" 俺もまだ,あなたの事が好きやねん "
サムがどれだけあなたの事が好きなのか
どれだけ本気で愛していたのか
どれだけ忘れられていないのかを
______突き付けられた瞬間やった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。