第44話

それは言えない。
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2020/11/22 13:12




















侑:この辺で見よか?




あなた:そうだね!


















二人とはぐれた俺達は

そろそろ花火が始まる時間になってもうたから

花火を見る場所を探しとった





















侑:立ち見で平気か?




あなた:全然平気だよ!人でいっぱいでもう座って見れるところないと思うしね( 笑 )




侑:ほんまにすごい人よなぁ


















こんな人混み,好き好んで来た事なんてなかった

やけど今日は____死ぬ程楽しみにしとった

好きな子と花火大会行けるなんて夢みたいやん





















侑:……あ




あなた:?




侑:そのピン留め……




あなた:あ,気付いた?



















" 侑くんから貰ったやつだよ "

そう微笑むあなたが

ほんまに愛おしくて仕方なかった























侑:……そのイヤリングは……サムから貰ったやつ?




あなた:え………?



















シーグラスのような物で出来たイヤリング

違うかもしれんけど

もしかしたら____と思って聞いてしもた

















あなた:……そうだよ。これは治くんから貰った物




侑:……そうなんや




















サムからイヤリングを貰った時

あなたはえらい嬉しそうにしとった

それはイヤリングが嬉しかったのか

それとも____サムから貰ったから嬉しかったのか

どっちにしろ俺が見れないようなあなたの笑顔を

サムは見ることが出来とるんや



















あなた:あ…!花火!!




侑:……!!




















話していると花火が打ち上がった

久々に外で花火なんて見たな______























あなた:綺麗………


















俺はあなたの方を見た

花火を見上げて目を輝かせるあなたが

ほんまに綺麗やと思った























侑:……なぁ




あなた:?




侑:あなたは……まだサムの事が好きなん?




あなた:え______?




















あなたは花火から視線を下ろし

驚いたような顔で俺を見とった

そしてゆっくり______口を開いた






















『 それは______言えない。』






















あなたは眉を下げて悲しそうに微笑んだ

" それは言えない "

否定も肯定もせんかった

それはつまり






























まだ______サムの事が好きやって事よな?












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