侑:この辺で見よか?
あなた:そうだね!
二人とはぐれた俺達は
そろそろ花火が始まる時間になってもうたから
花火を見る場所を探しとった
侑:立ち見で平気か?
あなた:全然平気だよ!人でいっぱいでもう座って見れるところないと思うしね( 笑 )
侑:ほんまにすごい人よなぁ
こんな人混み,好き好んで来た事なんてなかった
やけど今日は____死ぬ程楽しみにしとった
好きな子と花火大会行けるなんて夢みたいやん
侑:……あ
あなた:?
侑:そのピン留め……
あなた:あ,気付いた?
" 侑くんから貰ったやつだよ "
そう微笑むあなたが
ほんまに愛おしくて仕方なかった
侑:……そのイヤリングは……サムから貰ったやつ?
あなた:え………?
シーグラスのような物で出来たイヤリング
違うかもしれんけど
もしかしたら____と思って聞いてしもた
あなた:……そうだよ。これは治くんから貰った物
侑:……そうなんや
サムからイヤリングを貰った時
あなたはえらい嬉しそうにしとった
それはイヤリングが嬉しかったのか
それとも____サムから貰ったから嬉しかったのか
どっちにしろ俺が見れないようなあなたの笑顔を
サムは見ることが出来とるんや
あなた:あ…!花火!!
侑:……!!
話していると花火が打ち上がった
久々に外で花火なんて見たな______
あなた:綺麗………
俺はあなたの方を見た
花火を見上げて目を輝かせるあなたが
ほんまに綺麗やと思った
侑:……なぁ
あなた:?
侑:あなたは……まだサムの事が好きなん?
あなた:え______?
あなたは花火から視線を下ろし
驚いたような顔で俺を見とった
そしてゆっくり______口を開いた
『 それは______言えない。』
あなたは眉を下げて悲しそうに微笑んだ
" それは言えない "
否定も肯定もせんかった
それはつまり
まだ______サムの事が好きやって事よな?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。