第34話

サムに向ける笑顔。
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2020/11/19 12:00




















『 船水さん,ちょっといい? 』


















廊下から声が聞こえて俺は振り向いた

あなたを呼んだのは______角名やった


















あなた:………?




角名:ごめんね急に呼んだりして。俺が用あるわけじゃないんだけどさ






















" 此奴と話してやってくれない? "

そう言う角名の後ろには

______俺の片割れがおった





















あなた:……どうしたの……?




治:……すまん,呼び出してもろたりして




あなた:う,ううん……




治:二人きりやと嫌がられると思ったから…角名も一緒に来てもろたんや


















自分が呼び出したら断られるかもしれない

二人やと嫌がられるかもしれない

サムはそこまで考えて

角名を連れてあなたに会いに来たんや




















治:あなた,誕生日おめでとう




あなた:え………?






















サムもあなたに紙袋を手渡した

" 受け取って欲しくない "

そう思ってしまった





















治:……ただ祝いたかっただけやから貰って欲しい




あなた:え……?




治:……あなたの為に買うたから




あなた:………!



















あなたはゆっくりとサムからのプレゼントを受け取った

















治:……開けてみ




あなた:え……?う,うん……




















あなたはサムからのプレゼントを開けた

紙袋から出てきたのは______イヤリング





















あなた:!これ………




治:あなた,こういうの好きやったろ?




あなた:覚えてたの……?




治:当たり前やろ?



















" 伊達に彼氏やっとらんわ "

そう言われとる気がして俺は胸が痛くなった






















あなた:………ありがとう




治:………おん


















そうサムに微笑むあなたは

嬉しそうで,愛おしそうで,可愛らしくて,

今にも抱き締めたくなってまうくらい綺麗やった

そんな笑顔を作り出したのは俺やなくて

サムやっていう現実に______胸が突き刺さった。












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