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第1話

物語の始まり:0ページ目
111
2020/08/30 15:10
家具も何もない白いだけの空間…
気づいたら私はそこにいた
(なまえ)
あなた
ここ…どこ?
ここに来るまでの記憶は頭の中からすっかり抜け落ちていた
(なまえ)
あなた
ママ…?パパ…?
その空間内に両親の姿は見当たらなかった…
見知らぬ男がこちらへ近づいてくる…
(なまえ)
あなた
パパ…?
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
残念、パパではないんだなぁ
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
君…なんでここに来たか分かるかい?
(なまえ)
あなた
分からないから困ってる
(なまえ)
あなた
私を早くママとパパの居る家に返して
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
口が達者だなぁ…まぁ、家に返すことは出来ないよ
(なまえ)
あなた
なんで…?
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
君は特別な存在になるためにここに連れて来られたんだ
(なまえ)
あなた
特別…?私が?
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
そうさ、君は人類の希望なんだ
(なまえ)
あなた
随分大げさな訳し方だね
(なまえ)
あなた
つまりはどういうことなの?
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
あー、簡単に言えば『不老不死』…かな
(なまえ)
あなた
不老不死?
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
実験に成功すれば君は老いることも死ぬこともない
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
そしてこの実験がもし成功したら
人類はこの世界の頂点に立つことができる
(なまえ)
あなた
つまり私は単なる実験体に過ぎないってこと?
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
そうなるね
(なまえ)
あなた
ママとパパの許可は?
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
もちろん任意のうえでやってる
(なまえ)
あなた
そう…
両親の考えには理解ができなかった…というかショックだった
大事な娘を実験体に差し出すなんてどうかしてる…
(なまえ)
あなた
ママとパパが良いなら実験体になっても良い
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
随分あっさり決めたね
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
てっきり、嫌がるのかと
(なまえ)
あなた
だっていくら抵抗したって大人相手じゃ勝てない…
(なまえ)
あなた
無駄な抵抗したって体力が減るだけ。もう好きにして良いよ…
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
物分りがいい子は好きさ
(なまえ)
あなた
あなたに好かれたところで全然嬉しくもなんともない
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
🥺
(なまえ)
あなた
変な顔してないで、具体的にはどういう実験にするの?
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
それ聞いちゃう…?
(なまえ)
あなた
早く、
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
まずは手術(?)をする
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
その後手術が成功したか確認する為、君に痛みを与える
(なまえ)
あなた
子供になんてことを
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
まぁ、その年じゃ幼過ぎるからあと5,6年先にならないと実験は出来ない
(なまえ)
あなた
効率ワッル
(なまえ)
あなた
それだったら実験するって時に連れて来ればいいじゃん
(なまえ)
あなた
脳みそ溶けてんの?
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
大人相手にめっちゃいじめるやん🥺
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
お兄さんガラスのハートだからいじめないでw
(なまえ)
あなた
ほんと…変な人
6年後…
(なまえ)
あなた
あっと言う間に6年経っちゃった…
今日が手術決行の日だ…
あの日からずっとあの研究員の男と勉強したり遊んだりした
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
やっと手術決行日だ
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
君と遊ぶの楽しかったよw
(なまえ)
あなた
ただの暇つぶし…楽しいなんて一度も思わなかった
あの日から約6年間、両親とは一度も会ってない
両親がどういう顔だったのかももう忘れた
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
楽しくなかったか(´ ・ω・`)
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
もうそろ時間だから手術室に連れてくよ
(なまえ)
あなた
分かった…
正直、とても怖い…この手術が成功したら私は人間じゃ無くなるみたいで…
そう考えると体の震えが収まらなかった…
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
怯えてるの?ダイジョブ、麻酔はちゃんとやるから痛くないよ
研究員Ⅰ
研究員Ⅰ
手術が終わったら辛い日々が待ってるけど…
(なまえ)
あなた
麻酔するとかの問題じゃない
そうこうしているうちに手術室の前まで来た…
(なまえ)
あなた
サヨナラ、『人間の私』

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