第2話

2. 俺のモノ ※
1,549
2018/01/25 15:55



「大好きだよ」

「……好き、遊くん」



いつから、大好きだった彼女の愛の言葉は、



「いや…やめて」

「助けて」



俺を否定する言葉になったんだろう。





綺麗だった彼女の瞳は、

真っ黒で、

輝きがなくて、

汚いものになっていた。




大丈夫、それでも俺が愛してあげるから。





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事の始まりは、彼女の一言だった。



「もう、別れよう…」

「遊くん変わっちゃったよ…もうあの時の遊くんはいない。」

「別れたい…」




大好きだった彼女。

その彼女から別れを告げられた。




俺は彼女にいっぱい注いだ。

愛も、金も、時間も。



それを彼女は重いと言って、

俺のことを捨てようとしてきた。





俺は、その時。

自分のつけていたネックレスを、

彼女の首にかけた。




そして、グッッと力強くしめた。




「う゛…っ、ぁ゛…」




力なく抵抗する彼女。


そして、死にそうになる瞬間に手を緩める。




「っはぁ…っはぁ」




そして、また。


力強くしめる。







それを繰り返してるうちに弱っていった彼女を、


自宅へ運んだ。







生憎、俺の家には監禁部屋などはない。

だから、物置部屋に彼女を閉じ込めることにした。





愛がわからない彼女に、

俺が集中的にここで愛を注いでやろう。





投げるように彼女を、物置部屋にいれて、

途中で騒がれたら困るから、

口元にタオルを巻き付けた。

手を後ろでロープで縛り、

足を氷水に浸しておいた。



手がないと、この物置部屋から出ることは難しい。


仮に出られたとしても、

冷えて感覚がなくなった足で、

手が縛られた状態で、

前が見えなくなった状態で、

どう足掻いても出れるわけはない。




それでも、彼女が出ようとする姿を想像すると興奮した。





大丈夫、 愛がわからない君に。

俺がたっぷり愛を教えてあげるから。





こうして、俺と彼女の。

歪んだ関係ははじまった。

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