第4話

4.変わってしまったキミ
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2018/01/29 08:09










「ゔっ…スゥ…」





嗚咽を漏らしながら寝る彼女。


そっと彼女の髪を撫でる。





「髪は…変わらず綺麗だね」





泣き腫らして惨めになった顔。


黒く濁ってしまった瞳。





__________髪だけはまだ綺麗だった。





彼女の髪をどけて、彼女の寝顔を見る。






「あの時と…変わってしまったね」





彼女の寝顔は、

初めて俺が彼女の寝顔を見た時と違い、

苦しい表情を浮かべ酷く怯えていた。




あの時は幸せそうな表情をして寝てたのに。





思えば、最初は彼女の方が俺に溺愛していた。

「遊くんっ」と俺の名前を呼び、

俺の後ろをいつも付いてきてた。




でも、だんだんと彼女のその行為が減ってきて、

今度は俺が彼女の後ろを付いていくようになった。



だんだんと俺の行為はエスカレートして行き、

今に至る。



__________それでも、これは愛だから。



きっと、彼女も分かってくれる。




そう言えばいつから彼女の名前を呼んでないのだろう。



自分の心の中では、彼女と呼び、

彼女の前では君と呼ぶ。




「ー…っ」




彼女の名前を呼ぼうとしたけど呼べなかった。


__________名前を呼ぶのが怖い。



名前を呼んだら、


自分のしてる行為に気づいてしまいそうになるから。





………大丈夫、これは愛だから。


愛だから、愛の印だから、


きっと彼女もいつかは気づいてくれる。


これは、おかしい事じゃない。






そう自分に言い聞かせる。







「もう、寝るね」






時計を見るともう2時を過ぎていた。


明日はご飯をあげよう。


このままだと彼女は死んでしまう。





彼女が死を迎える時が来たら、

俺は彼女の後を付いていくだろう。





死んでも一緒だね。




朝が来たら、

またたくさんの愛を彼女に捧げよう。





俺は彼女の手と足をロープで縛り、

真っ暗な部屋をあとにした。







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