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第10話

9
_壱子@いちこ_
壱子いちこ
はぁ
壱子は手を伸ばして横に垂らした
伸ばした腕を見つめる


乾いた冷えピタが
ペロと半分だけめくれた


下の階から子どもたちの
声が聞こえてくる


ドタバタと床が蹴られる音は
壱子にとって日常である


小さくて早くていっぱいの中に、
大きくてゆっくり
階段を登る音がする




バンと壱子の部屋のドアが開けられた
タカラ(5才)
いっちゃん!
ゆきちゃん(6才)
だめ入っちゃ、バイ菌うつっちゃう
_壱子@いちこ_
壱子いちこ
バイ菌って……
タクヤ(5才)
いっちゃん!
おかゆ作ったぞ!
タカラ(5才)
あいがだろ!
_藍@あい_
あい
あー、こら入るなって
ゆきちゃん(6才)
バイ菌だよ!
_藍@あい_
あい
そうだ、いっちゃん菌だぞ
タクヤ(5才)
いっちゃん菌やだぁああああ!
子どもたちは一斉に
ドカドカと一階へ走って行った
_壱子@いちこ_
壱子いちこ
何でいんの
冷えピタはぽたりと
布団の上に落ちている
_藍@あい_
あい
紅葉さんが
大事な飲み会があって
遅くなるから
面倒見てくれって
_壱子@いちこ_
壱子いちこ
バイ菌ってひどくない?
_藍@あい_
あい
ッ、バイ菌
藍は吹き出したように笑ったので
壱子はぷすんとした
_藍@あい_
あい
熱は?
藍はおかゆを机に置いた
_壱子@いちこ_
壱子いちこ
今、吹っ飛んだ
_藍@あい_
あい
そりゃ良かった
藍はベッドに腰を掛け
壱子のひたいに自分のおでこをあてた

壱子の周りの気温だけが急に上がる
_藍@あい_
あい
ちょっと熱いな
_壱子@いちこ_
壱子いちこ
それは……あい兄のせいでしょ
_藍@あい_
あい
食べたら寝なよ
藍は新しい冷えピタを壱子に貼ると
頭を軽くでた
_藍@あい_
あい
自分で食べられる?
立ち上がろうとしたその手を
壱子は掴んだ
_藍@あい_
あい
どしたの?
大和の言葉が
何度も頭で繰り返された



ーーキスしとった男だ



まるで壱子自身が目撃したかのように
_壱子@いちこ_
壱子いちこ
おそって

子供たちの足音すら聞こえなくなった
_藍@あい_
あい
は?馬鹿……

藍は壱子の方を向かなかった
_藍@あい_
あい
本気で言ってる……?
_壱子@いちこ_
壱子いちこ
本気
壱子は今、
自分の心臓の位置を正確に把握できた
こんなに鼓動が鳴ることすら知らなかったのに


_藍@あい_
あい
いいよ