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ドアの隙間と道端の石ころ
22
とある老人ホーム白い床に反射する部屋の明かり
ばあちゃん、ごめんな……
しわくちゃな手は____________ありがとうと言って藍の手の甲(こう)をさすった
***
もしもし?
店にまであいつらが来た
電話越しに聞こえる藍の声回線を通した声がいつもより低く響く
そう……
本当にもう戻らないの……?
藍は何も言わなかった美咲はデスクの椅子を回転させると窓の外を見た東京の景色が一望できる
もういいよ……藍
見てて辛(つら)い
……お前もな
美咲の机には2冊の週刊誌
私たち依存して何か見つけられたのかな
美咲がすっと口にした言葉
何もないよ
そうだね
お互いにそんなことわかってた
店(つつじ)のこと……ありがとう
うん
じゃあね
プツッと音が止んだ何もかも持っているようで、何も持っていない___________ぐしゃぐしゃの雨が降って美咲は薬指の指輪をぶん投げた
RIN
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!