わたしは、今日江戸を発ち京の都に向かう
そのため、数少ない友達である、龍之介と小鈴に
別れを告げているところだ
2人は、京で出会ったらしい
イロイロあったらしいが、教えてくれない
どうやら、龍之介はどこかに住まわせてもらっていたらしい、という所まではわかった
だがその先は、
と、話してくれない
まぁ、わたしが京に行けばその人達にも会えるかもしれない
会えるといいな……
____________________________________________________
ヒュウ………
そう言いながら、私は今やっと着いた京の街並みを見渡す
龍之介や小鈴が言っていた京しか、知らなかったが
そこまで浪人がうろついている訳ではなさそうだ
わたしは、決して遊びに来た訳では無い
『ある目的』があってきたのだ
私の、双子の妹
霞と、結
2人とは、小さい頃に生き別れになってしまっている
ずっと会いたいと思っていたが、どこにいるのかも分からないため会うのは叶わないと思っていた
だが、前に京から来た人が妹たちを見た、教えてくれたのだ
それを聞き、わたしは、京に探しに行くことにした
なんとかして、会いたい
ずっと会いたかったのだから
それにしても、いつの間にか夜になってしまった
そう思い、宿を探そうと歩き出した時
西の方から女性の悲鳴が聞こえた
わたしは、すぐに声のした方へ向かった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!