チュン…チュン………
小鳥の、声
朝?
自分の状況に、驚く
な、なんで腕と脚が縛られて……
そのまま、気絶したんだ
だとしたら、ここはあの人たちが言っていた屯所?
私が、今床に転がされている部屋はそんなに大きい部屋ではない
でも、襖の外には大きな庭らしきものが見える
かなり、大きい屋敷なのかも
スっ
急に、襖が開き
おぉ、
こんな時にアレだけれど、すごく顔立ちが整ってるな
って、それはほんとに今どうでもいい
縄をとかれても、ここがどこなのか全くわからない状況で逃げ出すのは危険だ
情報も少ないし、今は大人しくしていた方がいい
そう言って、美形の男は廊下に出て、私の前を歩く。
そして、ひとつの部屋の前でこちらを振り返った。
頷き、襖を開けると
昨日の2人組と
ゆるそうな3人組と
温厚そうな顔立ちの2人だった。
早速、私を囲んで皆さんが座り、話し合おうとした時。
部屋に入ってきた子に驚く。
どうみたって女の子だったから。
私が穴があくほど見つめていたからか、その子は私の視線に気づき首を傾げた。
女の子をじっと見つめるなんて申し訳ないことをしてしまった、と1人反省する。
その声で意識を戻す。
私をこの部屋に連れてきた人は、土方歳三といい副長らしい。
他の人たちも名前を言った後、土方さんは私をじっと見つめて、、、、いや、睨みながら言った。
皆さんが私を見ている、、
ここで適当なことを言ってもすぐにバレるだろう。
なら、正直に打ち明けるべきか。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。