きゅぅ、と

離さないとでも言うように俺の背中に

腕を回すあなたちゃん。

まるで母親の姿が見えなくて泣きそうな顔をする

赤ん坊を抱きしめるように

そっと、そっと抱きしめる。

そんなないものねだりをして

あなたちゃんは俺のまぶたにキスをした。








俺だって、

あなたちゃんを泣かせるような

初恋のそいつより

俺のほうがいいって思ってるし、

そいつは俺でありたかったって思ってるよ。

そう耳元で告げれば

俺の頬に頬を擦り寄せるあなたちゃん。






だから耳にキスをして、

唇にキスをして、

あなたちゃんを占領する

そいつにわからせるかのように

身体に痕を残した。

肩に触れたとき、

感触に違和感を覚えた。




凸凹してる。




まっすぐ横に引かれたライン。

まるでミミズばれのようなその痕。

アームカットだ。

それもものすごい数。

見るな、とでも言うように

俺を抱きしめて俺の視界から腕を隠すあなたちゃん。





見ちゃいけないものだったのか、。

否。

知っておかなきゃだめなことだろうな。







だけど、今はまだ。

そう思って耳をあまガミして、

愛撫した。

反応が薄くなって、

前髪払うとその瞼は閉じていた。





静かな寝息が聞こえてきて、

俺は安心した。






辛いことを思い出させてしまったようだから、。

眠れたようで、良かった、。






安堵して、俺はあなたちゃんの髪をなでて

そのまま意識を手放した。

いや、待って。




ヨンジュンさんのその話だと

私達別にやましいことは

なにも、してない、よね？？






半分した？

だから、きわどすぎるところには

キスマークがなかった？

照れてるというか、恥ずかしい。

なんだ、なんだ。






ワンナイトじゃないじゃん。

ただキスして寝ただけ（というのもおかしいけど）。






よかった。

よかった。

何もしてなくて。




私だけ記憶にないのも嫌だったし、

ヨンジュンさんが出会ったばかりの人と

身体を重ねるような人だって

深く疑わなくて済むんだもの。

そっと顔を上げて

ヨンジュンさんを見ると耳を赤く染めて

照れているのを隠すかのように顔を手で覆っていた。























好きです、ヨンジュンさん。




まっすぐ私の目を見て

好きだと伝えてくれる

そんなヨンジュンさんが好きです。