どうして部屋から出るなと言われたのか
今回は理由を聞かなくてもわかった気がする
動かそうと試みるも、ビクともしない
私もすぐに力尽きてしまって、さっき襲ってきた睡魔がまたやってくる
私はそう呟いて夢の中へと引き込まれていった
朝、目を覚ますとグク様の顔が一番に目にはいる
それだけで昨日のことを思い出して顔が熱くなっているのがわかる
グク様も朝まで起きなかったようだ
私が身体を離そうとすれば
腰にまわった腕がさらに強く巻き付く
起きているのかと思ったけど、どうやら本当に熟睡しているみたい
お仕事で疲れているだろうし、お酒も入っていたからムリもない
しばらくそのままでいるともぞもぞと動き出したグク様がゆっくり目を開いた
起きたばかりのグク様の声は掠れていて
掠れた声が鼓膜を揺さぶるだけで私の心臓は
何度も大きく跳ね上がる
グク様はそう呟くと、記憶を呼び起こすように遠くをみつめた
命令に背いたことを起こられると思っていたら
ため息が聞こえて、グク様は身体を起こした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。