第36話

私の知ってる白狼くん
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2023/06/03 08:40

結真「俺らこれからは2人で飯食うから」


お昼休み、私の教室に来た白狼くんが姫星と高梨くんに言った。


姫星「おうよ」


春「良かったね、結夢ちゃん」


2人がニコッと笑う。


結夢「うん、」


私も笑って頷く。


結真「昨日、結夢が大泣きしたから」


白狼くんがニヤッと笑って私を見る。


私はむーっとする。


結夢「なんで言うんだバカー!」


私が白狼くんを叩くと、白狼くんは楽しそうに笑った。


姫星「え!?結夢泣いたの?どうしたの?」


春「お前結夢ちゃん泣かせんな!」


2人も一緒に白狼くんにくっつく。


結真「寂しいって言って泣いたんだよ、俺が泣かせたのと同じだな」


白狼くんは私の頭をクシャッとして言った。


姫星「結夢は我慢しちゃうタイプだからねー、いい子すぎるんだよ」


春「姫星はわがまま多すぎるけどね」


姫星「うるせ!」


姫星が高梨くんをグーで殴る。


結夢「あはは!」


私が笑うと、白狼くんも微笑んだ。


クラスメイト1「なになに!楽しそうねー!」


クラスメイト2「いつもの4人組じゃん!」


クラスメイト3「ほんと、仲良しカップルだね」


クラスの女の子3人が私達に声をかけてきた。


姫星「まあね!」


姫星がドヤっと笑って高梨くんの腕を組んだ。


春「ついさっき殴ってきた彼女だけどね〜」


高梨くんが意地悪に言うと姫星がまた高梨くんを殴る。


クラスメイト2「姫星達は友達みたいなカップルだ、あ!いい意味でね?」


クラスメイト1「確かに、一緒に居て楽しそう」


クラスメイト3「結夢と結真くんとは全然違うよね」


クラスメイト2「ゆめゆまは大人のお付き合いっていうか、落ち着いてて安定!って感じ」


クラスメイト1「めっちゃわかるー!2人がラブラブイチャイチャしてるとこ想像できん」


クラスの女の子達が盛り上がっている。


姫星「私らと結夢達はほんとにテンション差あるよね」


春「でも俺結構憧れる!結真達に!」


クラスメイト1「私もめっちゃ憧れるわー」


嬉しい。


照れ笑いをすると、クールな顔の白狼くんが私の方を見た。


やっぱり白狼くんは私と姫星以外の女の子とあまり話さないんだ。


なんだかまた嬉しくなる。


特別な気持ち。


クラスメイト3「気になってたんだけどさ、」


クラスの女の子が私と白狼くんの方を見た。


なんだろうと首を傾げる。


クラスメイト3「結真くんはクールで、全然笑わなくて、なんか冷たい感じで、女子と壁があるじゃん?」


結真「うん」


私はそうなの?って意味を込めて白狼くんを見ると、無表情の白狼くんが頷いた。


クラスメイト3「あ、ごめん、別に結真くんのことが嫌いなんじゃなくて、」


クラスの女の子が申し訳なさそうに言うと、白狼くんがようやく口を開いた。


結真「あー、いいよ別に、事実だから」


クラスメイト3「ありがと、そんでね、」


クラスメイト3「クールな結真くんは結夢の前でもあんま笑わないの?」


そんなことは無い、と思う。


結夢「そんなこと、ない、よね?」


私が白狼くんを見ると、少し笑って私を見た。


結真「さあな」


さあなって。


私が知ってる白狼くんは教室での白狼くんと同じなのかな。


クラスメイト2「え、結真くんのそんな優しい顔初めて見た。」


クラスメイト3「それな、笑ったよね、今」


クラスメイト1「いつもの人を殺す目つきじゃない!優しい目!」


みんな、ちゃっかり悪口言ってない?


結夢「私の前ではいつもこんな感じ」


私がへにゃっと笑うと、クラスの女の子達は笑って言った。


クラスメイト1「そっか、結真くんは結夢に心開いてるんだね」


クラスメイト3「結夢は結真くんにとってガチで好きな女で、特別なんだよ」


私は嬉しくなって白狼くんの手をぎゅっと握った。

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