第110話

遅いよ
803
2022/11/03 11:02

〜前回の続きです〜


結真「大丈夫?もう出れそう?」


結夢「うん」


結真くんは先にベットから降りて投げ捨てられた私の荷物を拾う。


私も降りようとしたら、ガクンと力が抜けた。


結夢「あっ、」


私はベットから落ちる。


結真「ゆめ、大丈夫か」


結真くんは急いで駆け寄ってくる。


すごく心配した顔。


結夢「へへ、力抜けちゃった」


私はへにゃんと笑う。


結真「ん」


結真くんは私に手を差し伸べる。


私は結真くんの手を握る。


結真くんは力強く引っ張って私を立たせる。


結真「歩ける?」


結夢「うん」


私は微笑む。


結真くんの大きい手をぎゅっと握る。


結真くんは私の荷物を持ってくれて、2人で手を繋いで部屋を出る。


ラブホから出て、近くの駐車場に歩いて行く。


京子「結夢!!」


京子は走ってくる。


結夢「京子」


京子の顔に泣いたあとがある。


結真くんは私の手を離して、背中を優しく押してくれる。


京子は私をぎゅうっと抱きしめた。


京子「結夢、よかった、ほんとに」


結夢「ごめんね、心配かけて」


京子の背中をさする。


京子「私こそ、なんも出来なくてごめん」


京子は私の頭を撫でる。


結夢「京子、泣いてるの」


京子「あ゛ー、ほんっとに心配したんだからね」


京子は私を見てムッとする。


結夢「ふふ、ごめんね」


京子「結真くん、ありがとう」


京子は結真くんを見る。


結真くんは優しく微笑む。


結真「彼女のこと守っただけ」


きゅんとする。


京子「素敵な彼氏だ」


京子は明るく笑う。


結夢「うん」


私も明るく笑ってみせる。


結真「ずっと待ってたのか?」


京子「そう、心配で」


結夢「そっかあ、ありがとう」



__次の日__



京子「結夢、町田いる」


京子は私の手を握る。


前からは町田先輩が歩いてきた。


鈴木くんと芳賀くんはいない。


違う男の人と歩いている。


結夢「っ、」


怖くて京子の手をぎゅっと握る。


町田先輩は私をじっと見た。


京子「行こ」


京子は私の手を握って駆け足で町田先輩の横を通り過ぎる。


京子「大丈夫?怖かったよね」


通り過ぎて京子が私の頭を撫でる。


結夢「うん、大丈夫」


私はへにゃっと笑う。


怖くて声が少し震えた。


食堂についてお昼ご飯を食べていると、私たちの席に男子が2人来た。


鈴木「結夢ちゃん」


芳賀「ごめん、今いい?」


2人は暗い雰囲気で私を見る。


なんの用だろう。


京子「何?結夢にもう関わんないで」


京子は怒って言う。


2人は京子を見て口をつむぐ。


そしてゆっくり口を開く。


芳賀「ごめんなさい」


鈴木「ごめんなさい」


2人は頭を下げる。


私は慌てて席を立つ。


結夢「ま、待って、どうしたの、いきなり」


私はワタワタしながら2人をのぞき込む。


鈴木「昨日は本当にごめん」


芳賀「昨日、結夢ちゃんが震えて泣いてて、俺ら馬鹿なことしてるってやっと気づいた」


2人は泣きそうな顔で言う。


結夢「気づくの、遅いよ」


私が眉毛をさげて言うと2人は頷いた。


鈴木「俺ら、今後一切町田さんとつるまないことにした、結夢ちゃんにも必要以上に絡まないから」


芳賀「もうあんなことはしないって約束する」


2人はまた頭を下げて謝る。


本当に反省しているんだなって伝わってくる。


結夢「ほかの女の子にも、あんなことしちゃダメだよ」


2人は何度も頷いた。


結夢「私は大丈夫、謝ってくれてありがとう」


私が笑うと2人は微笑んだ。


芳賀「こちらこそ、ありがとう」


鈴木「本当にごめんね」


2人は私たちから離れて行く。


京子「優しいね、結夢は」


京子は笑って言う。


私も笑って席に座る。


京子「よし、今日ケーキバイキング行こうよ」


結夢「行く!」


私は満面の笑みで頷く。


京子「あはは!」


京子は楽しそうに明るく笑った。

--------------------------------


アンケートのご協力ありがとうございました!


アンケート結果を参考に、作品作りに励んでいきます!


次回は、大学生編の結夢達の顔を大公開しちゃいます!


お楽しみにᐠ( ᑒ )ᐟ

プリ小説オーディオドラマ