第34話

幸せ
1,220
2021/11/26 11:24

姫星「付き合いましたー!」


春「いぇーい!」


2人で手を繋いでピースをした。


結真「テンション高ぇな」


結夢「おめでとう」


白狼くんと一緒に笑う。


春「結真!おめでとうって言えよ!」


高梨くんが白狼くんを見て笑った。


今日は高梨くんの家に4人で集まっている。


報告があるから集まってほしいと姫星と高梨くんから連絡が来た。


結真「おめでとおめでと」


白狼くんが私の隣で棒読みで言った。


姫星「感情ないな」


春「ほんとだよ!」


結夢「お似合いだね」


私が笑って言うと、高梨くんと姫星がぱあっと満面の笑みになった。


姫星「お似合いかあ〜」


春「結夢ちゃんありがとう!」


結真「テンション高いとことかうるさいとことか似てるぞ」


姫星「うるさいは余計だ」


春「お前が感情無さすぎるだけだ」


2人は息ぴったり。


春「ねー"きらら"、今度このケーキ屋行こうよ」


高梨くんが姫星にスマホの画面を見せた。


姫星「行く!やっぱ"はる"センスいい!」


姫星が笑って高梨くんを見た。


2人はお互いに名前呼びで呼んでるんだ。


"きらら"


"はる"


ちょっと憧れる。


向かいに座って楽しそうに話す2人がすごく幸せそう。


肩が当たるくらい近くに座っている。


なんだか寂しくなる。


不安になる。


私も白狼くんとくっついたりしたいな。


でも白狼くんはあまりイチャイチャしないし、そもそも好きじゃなさそう。


姫星達と比べたくないけど、今も私と白狼くんは少し距離がある。


今日、2人で話してないよ?


隣でスマホを見ている白狼くんを見ると、白狼くんが私を見た。


結真「なに?」


クールな顔が私を向く。


結夢「ううん、」


結真「んだよ、なんか言いたいことあんだろ」


白狼くんはスマホを置いて真剣な目で私を見た。


結夢「なんか、2人見てたら、寂しくなった」


私が下を見て言うと、白狼くんは私の顔をぐいっと上にあげた。


結真「何が寂しいの?」


優しい声。


結夢「2人みたいにくっつきたい」


私が顔を赤くして言うと、白狼くんは私の頬から手を離した。


結真「おいで」


白狼くんはポンポンと床を叩いた。


私は立ち上がって白狼くんの前に正座する。


向かい合って座ると、白狼くんが笑って前を指さした。


結真「あっち向いて」


私はよくわからないまま白狼くんの前に向きを変えて座り直す。


結夢「わ、」


白狼くんは私のお腹に手を当ててぐいっと後ろに引っ張った。


白狼くんにもたれかかる。


白狼くんの足と足の間に私がすっぽり収まっている。


白狼くんの手が私のお腹にある。


白狼くんの手がいつもより熱い気がする。


結真「結夢っていい匂いするよな、」


白狼くんが私の髪をクンクンと匂いを嗅いだ。


結夢「恥ずかしいからやめてよ」


私が後ろを向くと、白狼くんが微笑んだ。


姫星「なになにー?2人ともラブラブねー!」


春「2人みたいなカップルになりたいね」


姫星「うん!」


高梨くんと姫星が笑顔で私たちを見た。


2人みたいなカップル


嬉しいな。


私はなんで人と比べたんだろう。


こんなに幸せなのに。


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