楓はイタズラっぽく笑った
かわいい狼さん?それってまさか...
俺が戸惑っていると楓は一つの本を持ってきて俺に渡した
俺が今までに見た事のないタイプの本だった
まぁ..本については詳しくないんだけど...
俺は楓に言われるままに、アルバムと呼ばれた本を開いた
すると、そこには懐かしい風景が薄っぺらい紙の中に入ってたくさん並んでいた
これって...
そう
俺の故郷だった
俺がアルバムから顔を上げて2人を見たら
楓はただ黙って笑っていて、菜瑠はというとこっちを見てニヤニヤしていた
なんなんだよ...マジで...
俺は少しムッとしながらもページをめくる
そしたら今度は見覚えがある女の子が笑っている紙があった
楓が微笑む
俺はさらにページをめくった
今度の紙は楓の横に別の女の子がいた
楓とポーズを決めている
俺はなぜかそいつにも見覚えがあった
俺はその女の子を指差して思わず楓に聞く
どれどれっと楓がアルバムを覗きこむ
ーと、楓が言いかけたところで
菜瑠が元気よく叫んだ
なんか似てるとは思ったけども...
んじゃあ、あの時楓のことを呼んだのって菜瑠だったのか?そういうことになるよな?
楓はそこでやっと自分から話してくれた
楓はそう言って苦笑する
楓がそう言うと菜瑠が楓をフォロー(?)する
そう言って楓は目を伏せる
その顔が俺にはなんだか悲しそうに見えた
そうだ!今なら...
俺が菜瑠にそう言うと不服そうにほっぺを膨らませた
そう言ってもまだ納得してなさそうだ
俺がそう言うとやっと出て言ってくれた
鼻歌まで歌いながら...
本当に菜瑠ってドーナツが好きだよな...
すると楓は不思議そうな顔で俺を見る
今、言わなきゃ!これでだめだったら完全に諦めよう...
そこで俺は息を吸い込む
俺がそう言い切ると楓は顔を真っ赤にして_
そう、頷いてくれた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。