第14話

偽物の幸せ
1,026
2020/12/06 12:58
獣獅野 狼眞
菜瑠ーちょっといいか?
鳥伊 菜瑠
ん?なに?
今は放課後
退屈な(地獄の)授業が終わってみんな帰る準備をしているところだ
獣獅野 狼眞
聞きたいことがあってさ
鳥伊 菜瑠
当てて見せよう
菜瑠がニヤニヤし出す
鳥伊 菜瑠
楓のことでしょ?
獣獅野 狼眞
...正解
こいつ..思ったよりするどい...
鳥伊 菜瑠
で、今度は楓のなにについて聞きたいのかな?
菜瑠が意味ありげな目で俺を見る
獣獅野 狼眞
あのさ...
俺は少し声を抑えて言った
獣獅野 狼眞
楓のじいちゃんって金持ちなの?
鳥伊 菜瑠
うん
鳥伊 菜瑠
てかなんであんたがそんなこと知ってんの?
菜瑠が怪訝そうな顔をする
獣獅野 狼眞
えっと...
どうやって説明しよう...
獣獅野 狼眞
たまたま?
鳥伊 菜瑠
んなわけあるか
ですよねー
獣獅野 狼眞
このことってみんな知ってんじゃないの?
鳥伊 菜瑠
ちがうよ
鳥伊 菜瑠
今のところこの学校では私ぐらいしか知らないはずだし
獣獅野 狼眞
え?そうなのか?
鳥伊 菜瑠
うん
狸葉津はそのグループ?ってやつで調べたのかな?
獣獅野 狼眞
そっか、ありがと
俺は自分の席に戻ろうとした
そしたら
鳥伊 菜瑠
ちょっと待って
菜瑠に呼び止められた
獣獅野 狼眞
なんだよ?
鳥伊 菜瑠
何しようとしてんの?
獣獅野 狼眞
へ?
鳥伊 菜瑠
いきなりこんなこと聞いてくるなんて明らかに変じゃん!
獣獅野 狼眞
えっとね...
俺は思わず答えに詰まる
獣獅野 狼眞
ちょっと楓を狸葉津から助けなくちゃいけなくて?
鳥伊 菜瑠
はぁ?
獣獅野 狼眞
気にしないで!!
俺は大急ぎで席に戻った
家にて
獣獅野 狼眞
今日もつっかれたー!
獣獅野 狼眞
狸葉津のやつとんだ最低やろうかよ...
獣獅野 狼眞
とりあえず楓をどうやって狸葉津から助けるかなんだけど...
獣獅野 狼眞
普通に言っても信じてくれそうにないからな...
うーん...どうしたもんかねぇ...


よし!こんなときは...
俺はスマホを取り出した
プルル
コール音が響く
仲山 兎羽矢
もしもーし
獣獅野 狼眞
仲山さん
俺は仲山さんに電話した
なんか困ったら仲山さんみたいになってる気がするw
仲山 兎羽矢
今度はどした?
獣獅野 狼眞
実はですね
俺は今日のことを説明した
仲山 兎羽矢
え!?その竹竺くんって楓ちゃんのこと好きじゃなかったの!?
獣獅野 狼眞
はい
仲山 兎羽矢
うわーお
獣獅野 狼眞
なんですかwうわーおってw
仲山 兎羽矢
いやなんか展開早すぎるなって思ってw
獣獅野 狼眞
それはマジで分かります
仲山 兎羽矢
それで狼眞は楓ちゃんを助けたいんだな?
獣獅野 狼眞
もちろんです!
仲山さんは少し間を置いて話し始めた
仲山 兎羽矢
狼眞がしていることは楓ちゃんのためかもしれないけど、絶対に楓ちゃんはかなり傷つく
獣獅野 狼眞
そうですよね...
仲山 兎羽矢
せっかく両想いになって付き合えたのに、嘘だったとか悲しすぎでしょ
獣獅野 狼眞
...
仲山 兎羽矢
それでもやる?
確かに黙っていれば楓は幸せだと思う
だけどそれは偽物の幸せ
そんなのなら本物の幸せの方が絶対にいい
だから_
獣獅野 狼眞
やります
獣獅野 狼眞
今の楓が一番かわいそうですから
仲山 兎羽矢
そっか!がんばれよ!
獣獅野 狼眞
はい!
仲山 兎羽矢
またなんかあったら言ってくれ!
獣獅野 狼眞
はい!ありがとうございます!
プツ
そこで電話を切った
獣獅野 狼眞
さーってと!やりますっか!
俺は大きく伸びをした

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