第7話

やっぱり分からないよな
1,421
2020/11/27 08:53
獣獅野 狼眞
楓!!
???
え?
楓がこっちを向いた
驚いた顔をしている
獣獅野 狼眞
野山 楓のやま かえでだよな?
野山 楓
そうだけど...
???
だれ?楓の知り合い?
野山 楓
ううん
野山 楓
今日初めてあった人だよ
野山 楓
菜瑠の知り合いじゃなくて?
鳥伊 菜瑠
うちも知らん
野山 楓
あのどなたですか?
獣獅野 狼眞
狼眞、狼眞だよ!
野山 楓
えっと
鳥伊 菜瑠
名前言われても分かんないよ
獣獅野 狼眞
まーそうなるよな
鳥伊 菜瑠
楓の名前は知ってるみたいだけど?
獣獅野 狼眞
あっと、それにはいろいろ事情が...
鳥伊 菜瑠
ふーん
俺こいつ苦手...
鳥伊 菜瑠
うちは楓の親友の鳥伊 菜瑠とりい なる
鳥伊 菜瑠
で?
獣獅野 狼眞
へ?
鳥伊 菜瑠
なんのよう?
獣獅野 狼眞
あ、えっと
鳥伊 菜瑠
あとその前になんなの?
鳥伊 菜瑠
その耳としっぽは?
獣獅野 狼眞
え?
気づくと耳としっぽが出ていた
獣獅野 狼眞
うげぇぇぇぇ!!
えっべ!
たぶん俺楓に会えて気が抜けちゃって...
野山 楓
本物?
そう言って楓が俺の耳を触ってくる
獣獅野 狼眞
ふぇ?
野山 楓
わー!もふもふ!
獣獅野 狼眞
ちょ、やめ
言い終わらないうちにさらに触ってくる
獣獅野 狼眞
きゃん!
変な声が出た
鳥伊 菜瑠
あれー
鳥伊 菜瑠
どうしたのかなぁ?
菜瑠って言った人間の女が俺のしっぽを触ってくる
獣獅野 狼眞
ふぇ///
くすぐってぇぇぇぇ
俺は2人をふりはらった
獣獅野 狼眞
やめろって!
鳥伊 菜瑠
あちゃー
鳥伊 菜瑠
やばいね
獣獅野 狼眞
は?
気づくともの珍しそうに周りの人間が集まって来た
獣獅野 狼眞
うげ!
野山 楓
ど、どうしよう...
鳥伊 菜瑠
どうするって?
鳥伊 菜瑠
逃げるっきゃないでしょ!
菜瑠が楓の手をとって走り出した
野山 楓
うわっ!ちょと菜瑠!スピード落としてぇぇぇぇ
獣獅野 狼眞
おい!待てって!
俺は慌てて2人を追いかけた
しばらく走ると菜瑠が止まった
鳥伊 菜瑠
ふー
鳥伊 菜瑠
ここまで来ればいいっしょ!
野山 楓
ぜぇ...菜瑠..ぜぇ...いきなり..走り出さないでよ...
鳥伊 菜瑠
ごっめーん!
獣獅野 狼眞
おい、ここどこだよ
鳥伊 菜瑠
あれ?ついて来ちゃったの?
獣獅野 狼眞
まぁな
鳥伊 菜瑠
へー
鳥伊 菜瑠
うちに追いつけるなんてたいしたもんじゃん
獣獅野 狼眞
お前が遅かったからな
鳥伊 菜瑠
はぁ!?
野山 楓
菜瑠落ち着いて...
獣獅野 狼眞
んで?ここどこ?
鳥伊 菜瑠
うちの家
獣獅野 狼眞
お前の家?
鳥伊 菜瑠
うん
鳥伊 菜瑠
なんかあんた訳ありでしょ?
獣獅野 狼眞
そう..なるのか?
鳥伊 菜瑠
ま!とりあえず上がってよ
獣獅野 狼眞
お、おう
鳥伊 菜瑠
ほら、楓も!
野山 楓
う、うん
俺は菜瑠の家に入った
結構広い...
鳥伊 菜瑠
お茶持ってくるから、座っててー
野山 楓
私も!
2人はどっかに行ってしまった
10分後
鳥伊 菜瑠
お待たせー
菜瑠は机にお茶という飲み物を置く
鳥伊 菜瑠
で?とりあえずあんたが誰か話してもらいましょうか?
獣獅野 狼眞
分かった
獣獅野 狼眞
俺は狼眞
鳥伊 菜瑠
名字は?
獣獅野 狼眞
ふぇ?名字?
鳥伊 菜瑠
あるでしょ?それぐらい
菜瑠があきれ顔で言う
名字って俺ないんだけども...
鳥伊 菜瑠
ねぇ
なんか早く言わないとやばいみたい...
でも俺名字ないしなぁ...
鳥伊 菜瑠
ちょと?
あーもう!適当でいいや!
獣獅野 狼眞
獣獅野じゅうしの獣獅野 狼眞じゅうしの ろうま!!
鳥伊 菜瑠
へー
鳥伊 菜瑠
狼眞か
鳥伊 菜瑠
それで?だれなの?
獣獅野 狼眞
信じられないかも知らないけど、俺狼なんだ
鳥伊 菜瑠
は?
野山 楓
え?
鳥伊 菜瑠
ふざけてるの?
獣獅野 狼眞
ふざけてないよ
そう言って俺は楓を指さす
獣獅野 狼眞
こいつに助けてもらった狼
野山 楓
わ、わたし!?
鳥伊 菜瑠
楓そうなの?
野山 楓
知らない、知らないよ!
楓は慌てたやつに言う
鳥伊 菜瑠
ほらー
獣獅野 狼眞
覚えてないのも無理もないよ
獣獅野 狼眞
だって10年前のことだし
野山 楓
10年前?
鳥伊 菜瑠
なんかあったっけ?
獣獅野 狼眞
山に登ったりしなかったか?
野山 楓
うーん
野山 楓
ないと思う...
鳥伊 菜瑠
ということで!
鳥伊 菜瑠
楓はあなたのことを知らない
鳥伊 菜瑠
これ以上でたらめなこと言うとめったざしにするよ?
獣獅野 狼眞
でたらめじゃないって!
獣獅野 狼眞
さっき俺の耳としっぽ見ただろ?
鳥伊 菜瑠
まぁ偽物ではなかったけど...
菜瑠が楓を見る
野山 楓
本当に分からないんだってば...
鳥伊 菜瑠
って楓も言ってるし、この話しはお終い!
鳥伊 菜瑠
というわけで帰って!
獣獅野 狼眞
え!?
獣獅野 狼眞
お前が家にこいって言ったんだろ?
鳥伊 菜瑠
それは話しを聞くため
鳥伊 菜瑠
もう用はないから帰って!
これ以上いても、無駄か...
獣獅野 狼眞
分かったよ...
俺は菜瑠の家を出た
やっぱり分からないよな...
獣獅野 狼眞
なーんてへこたれる俺じゃないんだよ!
獣獅野 狼眞
今までの苦労に比べればどうってことない
獣獅野 狼眞
楓が俺のことを忘れたなら思い出させるまでだ!
俺はそう叫んで全速力でかけだした
楓が見ているとも知らずに_
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鳥伊 菜瑠
楓どうかした?
楓は窓の外を眺めていた
野山 楓
なんかあの狼眞って人あったことあるような...
鳥伊 菜瑠
え!?
野山 楓
なんだかとても懐かしい...
鳥伊 菜瑠
楓本当は知ってるんじゃないの?あいつのこと
野山 楓
分からない
鳥伊 菜瑠
なにそれー
菜瑠はあきれ顔で言う
でも楓の中では確かに何かを思い出そうとしていた

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