異様な存在感を醸し出す雄英高校の校門の前に呆然と出久と立ち尽くす
ありがたいことに私はあの後大きな問題もなく試験を突破し
オールマイトの手助けもあり私は特別枠ということで入学することとなった
そう声をかけ事前に頭に入れていた
校内地図を頼りに教室の場所へと進む
扉の奥から聞こえる喧騒にわずかに耳を傾けたあと扉に手をかけ思い切り開いた
お嬢様私はここでうまくやっていけるのでしょうか?
始まったばかりですがとてつもなく不安です
言い合いをしている彼が振り向く
少し驚いたように目を見開いたあと
姿勢をただしこちらへ礼儀正しくおじきをした
後ろから話しかけてきた彼女は
出久の知り合いだろうか?
ここまでくれば彼と一緒にいなくてもいいだろう
自分の席を探すためにクラス内を見回したその時
近づいてくる気配を感じ振り向いた
寝袋にはいり移動してきた人間が放った言葉は
少々予想外だった
いくらなんでも唐突すぎでしょう?
この人間の言うとおりにグランドに出れば
出久が言ってた入学式というものには出れなくなると思うのですが
どうしたものかと考えていればどんどん事は進んでいく
どうやら私もグランドに向かわなければならないようだ
まぁ、ここは流されておいたほうがいいか
そう判断し更衣室はどこだったかと
頭の中の地図を開こうとしたその時後ろから声がかかった
彼女の勢いに押されながら更衣室へと急ぐ
すでに数人は着替え終えているようだった
少し急いだほうがいいだろうかと考え着慣れているいつものメイド服を取り出す
制服よりこっちのほうが断然落ち着くわ
着替えに手間取っているお茶子を待ちながら
念の為武器のチェックでもしておこうかと
太ももにつけたナイフホルダーに手を伸ばした
グラウンド
先生が告げた内容に驚く生徒ら
個性把握テストとは一体何なのでしょうか
言葉の意味のまま受け取ってしまっても良いのだろうか?
そもそも体力テストとはなんでしょう、、
やはり元々の知識料に差がありすぎますわ
雑学や一般常識もこれから覚えていかないと
このままではいつしかボロが出ることは明らかだ
気をつけて挑みましょう
そう叫び思い切りボールを投げた彼
誰も殺したことのない人間が軽率に発すると
なんだか滑稽に見えるわ
なんて考えていると
真剣な表情をした先生が口を開いた
口々にクラスメイトが感想を行っていきますがそれと同時に先生の顔は険しくなる
どうやら何かが起こるらしい
見込みなし、、か。
言葉の裏を読むのは得意ですわ
ま、とりあえず自分に出せる精一杯をしましょう
それで落ちたら私があの人間にとってそれだけの価値しかなかったということ
初めから手札を全部見せていくのは愚策
慎重にいきましょう
目立たない程度に落とされない程度に手を抜きましょうか
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!