第3話

私の正体
4,702
2022/09/22 12:11
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
今から話すことは貴方達にとって信じがたいことだと思うわ。けれど今から私が言うことには一切の嘘はないわ。









すぅっとお嬢様が息を吸った 
それだけでこの場の空気が引き締まる








レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
まず突き詰めていうと私たちはこの世界のものではないわ
緑谷出久
!?それってどういう、、。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
咲夜は幻想郷というところに住んでいたの
幻想郷について簡潔に説明すると忘れ去られた者の最後の楽園よ
ちなみに人間だけじゃなく妖精に妖怪、鬼、神なんかもいるわ。
緑谷出久
神!?魔法使い!?
緑谷出久
はっ!貴女は人間なんで、、すよね?









少し怯えの含む視線で彼は私を見る








十六夜咲夜
十六夜咲夜
はい。
十六夜咲夜
十六夜咲夜
お嬢様のご友人の魔法の研究が完成し
魔法陣を展開したときたまたま私がそこに入り込んでしまいまして
それでわたしはこの世界に来ました。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
、、、
パチュリー・ノーレッジ
パチュリー・ノーレッジ
はぁ、、、。







そういったときパチュリー様だけでなくお嬢様も顔を顰めたのはなぜだろうか?




緑谷出久
じゃあさっき助けてくれた時の力はなんですか?
オールマイト(トゥルーフォーム)
助けたというのはどういう?
緑谷出久
さっき僕は何もしていないのになぜか違うところにいたんです。













困惑したような表情で聞く彼に
能力というものを教えていなかったことに気づく








十六夜咲夜
十六夜咲夜
それは私の能力で移動させたからです。
オールマイト(トゥルーフォーム)
能力?
十六夜咲夜
十六夜咲夜
私達の世界で少人数の人妖がもつ特殊な力ですわ
緑谷出久
それって、、、、個性と似ているね
あ、十六夜さんの能力って一体何か聞いてもいい?









不思議に思っていたため丁度いい
そう思い彼らに個性というものについて聞くことにした













十六夜咲夜
十六夜咲夜
その前に個性というものを教えていただいてもよろしいでしょうか?
それがわからないと共通性も見いだせませんので
オールマイト(トゥルーフォーム)
個性はこの世界で8割に与えられる超常現象を起こすことのできる力のことだ










水晶から少し息を呑む音が聞こえた
私だけでなくお嬢様たちも驚いているようだ

それもそうか
能力は8割なんて多くの人に与えられない
人間で能力を持てる割合は2割程度だろうか。
天然の能力だとこれくらいだが魔理沙のような
後から発現した能力持ちもいる。
しかしそれを含めてもせいぜい3割がいいところだろう
やはり住むところが違えば色々と変わるものらしい







十六夜咲夜
十六夜咲夜
私の能力は時間を操る程度の能力です
緑谷出久
時間を、、、、!?
オールマイト(トゥルーフォーム)
、、、具体的にはどこまでできるんだい?









彼女の力はこちらの人間から見れば
人1人が持つには大きすぎる力だ。
出久もそれに当然の如く気づき絶句した







十六夜咲夜
十六夜咲夜
主にこの世界の時間を止めたりや物質に流れる時間を操作することが可能です
投擲した武器を停止させてから時間差で射出したり
人の時間は戻すことはできませんが時間の流れを遅らせる、ということも出来ます。
物の状態のみでしたら戻すことも可能ですが
オールマイト(トゥルーフォーム)
それは、、とんでもない能力だな。
緑谷出久
時間を止めれるだけでもすごいのに、、。
制限とかはあったりするんですか?
十六夜咲夜
十六夜咲夜
制限は特にないですわ
オールマイト(トゥルーフォーム)
それだけの能力に制限がないだと!?




ただでさえ明らかにこちらの常識を超えた事実にオールマイトは目を見開き
出久はそれを理解することに時間を要した
彼の頭はその事実を受け急速に回転し出した
彼は時間操作に似たような能力を思い出そうとしていたが
その思考は割り込んできた声に止められた













レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
あらそうなの?
此処ではもっと出鱈目な能力を持った人妖もいるわよ
緑谷出久
これ以上に!?
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
ええそうよ。なんなら今隣にいる八雲なんて
その中でも群を抜いて出鱈目だもの
境界を操るだなんて出鱈目能力
ふざけてるとしか言えないわ
オールマイト(トゥルーフォーム)
境界、、、とは?
八雲紫
八雲紫
物事にはなんでも境界が存在しますの。
朝と夕の境界を弄ればずっと昼になりますし
生と死の境界を弄れば不死にすることも可能ですわ











改めて聞くと本当にとんでもない能力ね
緑髪の人間はまだ理解が及んでいないようで首を傾げているが
ガリガリの人間は説明を聞いて理解できたのか顔を真っ青にしていた






















オールマイト(トゥルーフォーム)
貴方がやろうとすれば世界一つ破壊することすらも容易と言うことか、、、
緑谷出久
オールマイト!?それって、、、、どういうことですか?
オールマイト(トゥルーフォーム)
彼女の説明によると概念すらも操れる。ならば破壊と創造の境界を操れば、、、
結果はわかるだろう
緑谷出久
、、、!!








その説明でようやく意味がわかったのか目を見開き真っ青になる緑髪の人間


その様子にお嬢様はため息をつき
「私も能力に自信を持っているけれどこいつには大概呆れるわ」
と本当に呆れたと言うように言い捨てた













緑谷出久
レミリアさん?はどんな能力を持ってるんですか?
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
!よくぞ聞いてくれたわね人間!!
この私レミリア・スカーレットの能力は運命を操る程度の能力よ!!








ばばんっと胸を張って宣言するお嬢様だが
表現が抽象的すぎるせいかよく伝わっていないみたいだ
それでもガリガリは慎重な表情で尋ねた







オールマイト(トゥルーフォーム)
どう言う能力か詳しく聞かせてもらっても?
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
私が運命を操れば操られたやつは本来の歩むべき運命から外れることになるのよ
そいつが死ぬか生きるかなんて私の掌の上だわ
運命というのはその人間にとっての転換期とも言えるほどの大きなの出会いのこと
それを操ればそいつが変わるなんて自明の理でしょう?







そうクスクスと笑い今まで見てきたおもちゃの感想を言うよう言葉を紡いだお嬢様に
緑髪の人間は「そんなのおかしい!!」と叫んだ



、、、、下手な正義感はその身を滅ぼすことを知らないのだろうか
今頼るべき人間にこいつが含まれていなければすぐに八つ裂きにしたと言うのに
それだけお嬢様を否定した罪は重い














十六夜咲夜
十六夜咲夜
、、、、。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
咲夜
十六夜咲夜
十六夜咲夜
わかっております










そんな私の心を見通したようにお嬢様は私を諭した
はぁ、、、
とため息をつき一度心を落ち着かせる








十六夜咲夜
十六夜咲夜
貴方、、、あまりお嬢様を侮辱しないでくださる?
従者たるもの主の心身を害するものを倒すのも仕事なのよ
今はそういうことをしたくないのよ
緑谷出久
あ、、、、。すみません








言外にこれ以上不躾な真似をすれば貴方を倒すことも厭わないことを
仄めかせると彼は途端にハッとし私とお嬢様に謝った


、、、、根は真面目な人間なのかしらね









オールマイト(トゥルーフォーム)
ま、まぁまぁ!それよりも
先程のヴィランは液体だったはずなのになぜ君のナイフが効いたんだ?
十六夜咲夜
十六夜咲夜
、、、、ナイフの周りに霊力を纏わせたんです
あぁ、霊力というのは人間ならば誰でも持ってる力のことですよ
最も、多くの人はその量が少なすぎて使えませんけど
ここの世界の人は幻想郷に住んでいる人間と比べてもかなり少ないようですね



霊力という言葉を聞いてあからさまに首を傾げた彼らに説明すると
一瞬緑髪の人間の顔が輝くも自分が霊力を使えないと分かった瞬間に肩を落とした





緑谷出久
な、なるほど。







話が一段落し目の前の人間達がなぜか戸惑っていると不意にパチュリー様の声が聞こえた












パチュリー・ノーレッジ
パチュリー・ノーレッジ
緑髪の貴方少しお願いがあるのよ。
緑谷出久
ぼ、僕ですか?
パチュリー・ノーレッジ
パチュリー・ノーレッジ
そうよ
緑谷出久
えっと、、、、なんですか?
パチュリー・ノーレッジ
パチュリー・ノーレッジ
貴方に2つお願いがあるの
1つこの世界の常識を教えて咲夜に教えてほしい
ここは幻想郷よりもかなり文化が進んでいるようだし。勝手がわからないところも多いと思うの
いくら咲夜でもそんなところで暮らせない
そして2つ咲夜に住むところを与えてもらえないかしら?








確かに右も左もわからないことだらけではあるが
なぜ初対面の彼にそこまでのことを頼むのでしょうか?
パチュリー様はそんな早くに人間を信用するような性格ではなかったはずなのだけれど、、、?
心変わりなされたのかしら?









オールマイト(トゥルーフォーム)
なるほど。緑谷少年の所は空いているかい?
緑谷出久
ぼ、僕のところですか?
母に聞いてみないとわからないです。
十六夜咲夜
十六夜咲夜
なるべく誤魔化せると良いのだけれど、、、。
緑谷出久
聞いてみます
オールマイト(トゥルーフォーム)
ところで十六夜少女。
よければ雄英高校にこないか?
十六夜咲夜
十六夜咲夜
雄英高校?



聞きなれない言葉に首を傾げる
パチュリー様もお嬢様も
どうやらわかっていなさそうだ






オールマイト(トゥルーフォーム)
あぁ。この世界にあるヒーローを育成する学校のことなんだが
君の個性はここではかなり珍しいんだ。
だから保護の意味も兼ねることになるけど、、、
もちろん勉強面と個性面が大幅に足りなければ入れられないんだが
君の個性、、、能力で勉強面は補えると思うんだ
十六夜咲夜
十六夜咲夜
保護、、、ですか
それは有難いのですが学校とは一体なんですか?
オールマイト(トゥルーフォーム)
え!?学校が何か、、、かい?
八雲紫
八雲紫
そこは私から簡単に説明いたしますわ





突如として割り込んできた声にお嬢様とパチュリー様は同時に顔を顰めた




、、、ご友人ですから息も合うものですのね


そんな感想が密かに浮かぶも
今自分の中に浮かんでいる感情で一番強いのは不信感であり
少なからず自分の表情も芳しくないものになっているのが察せられる
紫からの支援はありがたいがいかんせん
いつもの胡散臭いイメージがつきすぎていて
何か裏があるんじゃないかと思ってしまう






















八雲紫
八雲紫
全く、そこまで嫌そうな表情しなくていいじゃない
で、学校っていうのはこちらで言うと寺子屋のようなものよ
ここの学校は個性、こちらでいう能力を伸ばすことにも力を入れている学校
と言う認識なのだけれど補足などはあります?
オールマイト(トゥルーフォーム)
いや、大まかに言うとそんな感じで合っているよ
十六夜少女、君がよければの話なんだがどうする?
十六夜咲夜
十六夜咲夜
私はお嬢様に一生の忠誠を誓った身ですので
お嬢様の許可なしで私の一存では決めかねますわ




そういい水晶に視線を向けると八雲がほんの少しだが
困ったようにお嬢様がいると思われる方向に視線を向けた

暫くの沈黙と共にため息と
「パチェ」
とパチュリー様を呼ぶお嬢様の声が聞こえた
パチュリー様はお嬢様が声をかけた意図を理解したのか深いため息と気だるげな声で
「わかったわよ」
と告げた


その後水晶の向こうから一切の音が消えた
パチュリー様が魔法を使ったのだろうか
、、、でもなんのために?



それから1分くらい経っただろうか?
カタリというほんの僅かな物音と共にお嬢様が水晶の前に現れた








レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
私は貴女がそこに行くのを望むけど強制はしないわ
自分がやりたいことをしなさい
八雲紫
八雲紫
スカーレット
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
これは譲らないわよ八雲


















お嬢様の声は今まで聞いた中で一等刺々しい。
聞いたもの全員が縮み上がるような威圧感を含んでいた

八雲の声もお嬢様の声に負けず威圧感を含んでいる
いつもの軽薄そうな声色は感じられずただただ
「恐怖」
その感情に支配された
、、、、彼女はやはり大妖怪だ。












十六夜咲夜
十六夜咲夜
承知いたしました。お嬢様の御心のままに。
ということですので
十六夜咲夜
十六夜咲夜
ですが勉強はあまりやったことがなくて、、。
それと入ることになるのでしたら能力のことは多少伏せていただけますか?
オールマイト(トゥルーフォーム)
あぁ、そうだね。そこまでの能力だと確かにヴィランに狙われる可能性もあるだろう
こちらの方である程度能力とその名前を考えておくよ。
十六夜咲夜
十六夜咲夜
わかりましたわ。それでお願いいたします
緑谷出久
勉強のことはもし住めるようになったら僕が教えるよ!
十六夜咲夜
十六夜咲夜
ありがとうございます。
オールマイト(トゥルーフォーム)
十六夜少女、
私は緑谷少年と特訓するんだが
その時君の能力がどれほどのものなのか
実際に見せてもらえるかい?
十六夜咲夜
十六夜咲夜
それで雄英に入れるか決めるって
わけですか。構いませんよ
緑谷出久
オールマイト、本当にありがとうございます。
緑谷出久
咲夜さん。僕の家はこっちです。
十六夜咲夜
十六夜咲夜
わかりました










私達はオールマイトに礼を言い
その場をあとにした












緑谷家
緑谷出久
ただいま
緑谷引子
出久。お帰り。ってそちらは?
十六夜咲夜
十六夜咲夜
十六夜咲夜と申します。
緑谷出久
実は、僕を助けてくれたんだ
緑谷引子
?どういう









少々混乱しているような彼女に、
彼はは先程起こったことを道中でお嬢様達から
話していいと言われたところまで簡潔に説明した











緑谷引子
なるほど。咲夜さんありがとうございました。
十六夜咲夜
十六夜咲夜
いえ。少しお願いがありまして
緑谷引子
なんでしょう
十六夜咲夜
十六夜咲夜
実はここの家に泊まらせていただきたいのです
緑谷引子
!?
緑谷引子
なぜ?
十六夜咲夜
十六夜咲夜
大雑把にいうと住む場所がないからですね。
詳しい説明はあまりできないのですが、信用していただけませんか?





驚きで目を見開き
次の瞬間には彼女の視線に一気に不信感が募った
流石に難しいのでしょうか、、、、


















緑谷出久
お母さん咲夜さんは信用できる人だよ
十六夜咲夜
十六夜咲夜
これでも16です。
ある程度の責任は自分でとれますわ
緑谷引子
、、。分かりました。出久を救っていただきましたし悪い人ではないようですしね
十六夜咲夜
十六夜咲夜
ありがとうございます。
そのかわりと言ってはなんですが朝食と夕食は私が作りますよ。
緑谷引子
分かりました。











これで食と住は手に入れることができたわ
後は衣だけれどこれはなんとかなりそうね









何事もなく終わればいいのだけれどね











































パキンッと運命の歯車が壊れる音がした












































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作者
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|/ω・)チラッ
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覚えていらっしゃった方は何人くらいいらっしゃるんでしょうか、、、、
作者
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ほぼ一年越しの更新で申し訳ないです
、、、、メインの作品が完結しだい
こちらも投稿していきますのでそれまで気長にお待ちくださると幸いです!!
本当に長い間おまたせしてしまい申し訳ありませんでした

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