少々大人向けの内容となっております。ご注意ください。
ねぎりょー。side
家に帰ってきた俺達はコンビニで買った酒とつまみを開け、晩酌を始めた。
今日あったことを、ヘロインは淡々と俺に話していった。
俺に嫌われてないかが怖くてすぐに家に戻れなかったこと。
公園で男の子が転んでしまい、お姉さんらしく処置をしてやったこと。
…その男の子と俺が重なって見えたこと。
ヘロインの目は常に潤んでいて不安だった事がよく分かった。
その話をつまみにヘロインは1本、1本缶を開けて行った。
机の上にあったつまみを食べ切った頃、夜も更けてないうちに飲み始めてしまったせいか酒に弱いヘロインは10時前に酔いつぶれてしまった。
少し水分補給をしたほうがいいだろうと思い、俺は腰をあげる。
台所へと進もうとするとヘロインに腕を掴まれる。
『どこいくの…?』
蕩けた顔で俺を見つめるヘロイン。そんな艶やかな姿を見て今すぐにでも襲ってやりたくなる衝動に駆られる。
俺は余計な考えを振り払うように首を振る。
そして笑顔を作ってヘロインの頭を撫でてやる。
ね「水取りに行くだけ。すぐ戻るから待っててね。」
そう言うとヘロインは素直に手を離してくれた。
『うん…すぐもどってきてね』
そう言ってへにゃっと笑うヘロイン。可愛い。
とういか化け物並の性欲抑えた俺を誰が褒めて←
台所に行きグラスに氷を落とし、水を注ぐ。それをヘロインの元まで持っていく。
机の上ですぅすぅと寝息を立てるヘロインはさながら天使のようだ。
俺は腰を下ろし、眠りにつく天使の頬を人差し指でつつく。
『んぅ…』
少し身を捩らせうっすらと目を開けるヘロイン。俺を見るなりとても嬉しそうに笑う。
『ねぎくんだぁ…』
そう言って彼女は俺に飛びついてきた。そこで俺が努力して築き上げてきた堤防が崩れ落ちた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。