第12話

#11 憶えていても いなくても
17
2019/04/27 03:29
『結芽ーできたから、降りといでー!』

は、はやい。さすが専業主婦ね。

『はーい!いまいく!』

一階のリビングダイニングへ…

どれどれ。母の実力をしかと…

こ、これは…

美味しそう!

『どうだ結芽、君の自慢の母の実力は。』

自慢のって…

『美味しそうね。…味はどうかわからないけれど。』

美味しいと思う。

『お嬢様、お席へどうぞ。』

母が、椅子を引く。

レストランの店員のつもりらしい。

だが、その体型では…無理があるのでは?

『お嬢様、よい時を…』

よし、食べよう。

フォークを手に取り、まず、サラダから貰うことにした。

『お嬢様、そちらは、当店自慢のお手製のドレッシングです。』

キャベツとキュウリ(キュウカンヴァー!)
を食べた。

…これ…

『あの、これドレッシング間違えた?キュー○ーのゴマドレッシングとしか思えないのですが。』

『チッ』

し、舌打ち

『記憶ないなら、誤魔化せられると思ったのに。』

残念ながら、常識はあります。

よし、次にかけよう。

スプーンを手にとり今度は、コーンスープを頂く。

うん、美味しい。……コーンスープって感じ。

で、でも

『これ、粉末のやつじゃ?』

『だいせーかい!ピンポンピンポン』

ちょっと頭痛が…

失望から頭痛です。

てな感じで、母のことを思い出した、人類絶滅361日前だった。

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