第54話

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2020/03/30 07:00



あなたside

















着信拒否のボタンを押そう手を伸ばすと


ちょっとよろけて通話ボタンに触れてしまった


「もしもし?」


その声は那須だった



































『もし、もし?』


那須「浮所の事、聞いた?」


『聞いた』


那須「もういいよ、ってかやめようよ、復讐」


『っへ?』


那須「関わるなって言われた次の日から
浮所来なくて、あなたも抜け殻みたいで、
会う度に無理してるのわかったし、痩せてたし」


那須「もうやめようよ」


那須「これ以上はあなたいなくなるような気がする」


『大丈夫、だよ、笑
那須嫌なんでしょ?浮所が』


那須「あなたをあの日助けたのは浮所なんでしょ?
それなら俺は感謝しなきゃいけないし、
俺の感情であなたが辛い思いする方が嫌だ」


那須「こうやってだけど話したりしてたら、
俺にとってあなたは凄い大事な存在になってた」


那須「阿部くん達も心配してる、もうやめよ?」


那須「あの日、浮所が電話してきた、
あなたに伝えてって、伝言聞いた、

ずっと羨ましかっただけなんだよな、
皆にちやほやされて、それでも実力があって、
怖かった、自分の立ち位置が危ないかもって。
でもまだまだだった俺はあなたを嫌って憎んでた。
ごめん。って健人くんが言ってたよって」





































なんで優しくするんだろ


本当は気づいてた、日に日に痩せてる事も


阿部ちゃんたちが心配してる事も


でも気付かないふりしてた


ほんとだめだな、私


もう遅いよ、真っ黒に染まっちゃったよ


汚れちゃったよ


謝られたら許すしかないじゃん



































『なんで、、、、』


『なんであっさり謝んのよ!!!!』


那須「あなた?」


『なんで優しくするのよ?!?!?!』


『嫌ってよ!!突き放してよ!!!
嫌になるくらい罵ってバカにしてよ!!』


『、、、こんな汚れた私、戻れないよ、無理だよ』


『もう、遅いんだよ』
































ぎゅっ


阿部「遅くなんかないよ」


『っ、あべちゃっ!』


阿部「那須、ありがとね」


那須「とんでもないです、
あなた、今言ったのほんとだからね」


『え?』



































理解が追いつかない


那須と阿部ちゃんはいつから繋がってたの?


もうよく分かんなくなっちゃった










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