第56話

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2020/04/01 14:39



あなたside

















それから数週間、もう9月に入った


食欲が出てきて、だいぶ体重も戻ってきた


素直に色々言えるようになったし


笑えるようになった


でも浮所たちの意識が戻らないらしい


それが気になってあまりリハに集中できない


大丈夫かな



































阿部「あなた〜」


『あ、阿部ちゃん』


阿部「大丈夫だよ」


『うん』


佐久間「あなたー!!!!!!!」


『さっくんうるさい!!』


佐久間「元気なだけ!!!」


佐久間「ってか欲しいものない?」


『なんで?』


佐久間「来週誕生日じゃん!!」


『そっか』


岩本「忘れてんの?笑」


『ここ数年祝われてなかったし』


ラウール「じゃあ盛大にお祝いしないとね!」


京本「一応あなたはSixTONESなんだけど〜」


田中「次20歳でしょ?」


『そうだよ』


髙地「尚更盛大にお祝いしないとね笑」


佐久間「で?欲しいものは?」


『え〜、、、特にないな』


向井「ないん?」


『うん、ない』


目黒「好きな食べ物は?」


『ない』


渡辺「ゲームしないの?」


『しないね』


『勉強とダンスとバイトしかしてこなかったから』


宮舘「それ以外興味ないの?」


『ない』


深澤「んー、困ったな」


松村「メイクは?」


『してない』


森本「すっぴん可愛いよね」


ジェシー「服は?」


『あんま持ってない』


佐久間「おっけ〜い」



































誕生日、か


最後に祝ってもらったのいつだろ


いつも仕事でいっぱいで


去年は復讐でいっぱいで


こんな穏やかにすごせなかったから


浮所、大丈夫かな


病院行ってみよう



































『阿部ちゃん』


阿部「どうした?」


『今日病院行ってみるね』


阿部「着いてこうか?」


『ううん、大丈夫』


阿部「気をつけてね」


『うん、ありがとう』



































教えてもらった病院に着くと


2人とも同じ部屋で寝てた


寝てた?でいいのかな


私を守る為にこんな風にならなくていいのに


ありがとう、ごめんって思いながら


ベッドの隣の椅子に座ってそっと浮所の手に触れる


最後に会った時より痩せたな



































浮所「ん、、、」(ピクッ)


『浮所?』


浮所「あなた、ちゃん?」


『浮所!』


浮所「痛っ、」


『ありがとう、飛貴』


浮所「ふふっ笑
笑顔のあなたちゃん戻ってきたね笑」


『飛貴のおかげだよ』


浮所「よかった笑」


浮所「健人くんは?」


中島「俺起きてるよ」


『いつの間に』


中島「謝って許される事じゃないのは分かってる
取り返しのつかないことをしたけど
謝らせてほしいごめん」


『いいよ、もう根に持ってない』


中島「ほんとにごめん」


『だからもういいって!』


浮所「ねぇあなたちゃん」


『なに?』


浮所「これから友達になれる?」


『いいよ』


浮所「ありがとう」


『2人とも何週間か寝たきりだから
体訛ってんじゃない?笑』


中島「体動かして〜笑」


浮所「体力落ちたかも〜笑」


『リハビリ頑張んないと笑』


浮所「あなたちゃん面倒見てよ〜」


『私これから忙しいの!笑』


浮所「え〜」



































2人とも打ち解けて、別に悪い人じゃないじゃん


話してたら面会時間が終わって


また暇な時に来るね、って言って病院を後にした


なんか生まれ変わった気分だな


体が軽くて、心が明るくて


暗闇の中にいるより全然心地よかった


みんなに感謝しなきゃな










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