あなたside

















心が空っぽ


人生2回目の経験


マネージャーを迎えに行って、家に帰ってきた


マネージャーは無事でなんともなかった


それでも浮所が気になって眠れなくて


言われた事が頭から離れなくて


そのまま朝を迎えた


今日もリハ


みんなにいつも通り話せるかな


無理やり笑顔を作ってリハ室のドアを開ける



































 『おはよ！』


京本「あなた！おはよ！」


 『今日振り入れだっけ？』


髙地「そうだよ〜」




































連絡がつかない浮所の不安を打ち消すように


振りを覚えるけどそんなの一切効果なくて


どうやっても心配になる


そんな空っぽのような日が何日も続いた


食欲がなくて全然ご飯なんて食べないし


眠れなくて何日も寝てないし


胃には何も入ってないのに何度も吐いて


昔の事、浮所の事、みんなの事を


思い出して苦しくなって過呼吸にもなった


那須にも何度かあったけどいつも通り接した


でもみんなの前で笑顔でいるのもそろそろ限界だった


























今日も毎度の如くリハに行ったら


リハ前にスタッフさんが大急ぎてみんなに伝えた


中島・浮所、2人とも意識不明で入院中


もちろんみんな困惑してる


私のせいだ


耐えきれなくてリハ室を飛び出して屋上まで走った


周りの声なんて聴こえなかった


でもなぜかスマホだけは手に持ってた



































空は真っ青なはずなのに黒く見える


今、私は真っ暗な闇の中にいるんだ


逆に居心地が良かった


私がいなかったらよかったのかな


そもそも生まれてこなきゃ良かったんだ


それならお母さんも苦しまなくてすんだ


私も苦しまなかった


あのクズ達が、中島が、私を嫌うこともなかった


みんなに辛い思いさせなくてよかった


那須も手を汚さなくてすんだ


浮所も、こんな目に遭わなくてすんだ


涙も出てこないや


ごめんね、こんな私で


いっその事死のうかな、ここなら飛び降りれるし


そう思ってよろよろと立ち上がると着信音が響いた