🐯side
説明するためリビングに入ってくると
そう言ってジミナが持ち上げた紙には
"外泊します。
鍋にシチューがあるので温めて食べて下さい
あなた"
と、綺麗な字で
あなたらしく淡白に要件だけ書かれていた
それを見たジミナは、
俺と同じところに疑問を抱いたようだった
あなたが外泊なんて……初めてだ。
ジミナはそう言ってリビングを出ていった
俺は、あなたが作ってくれたシチューを
一人で食べながらも
自分があなたから離れようとしたことをずっと後悔していた
結局こうなるくらいなら……
ルールなんて最初から気にしなければよかった
俺が、あなたから目を離さなければ…ッ……
今はそんな事しか頭になくて
折角作ってくれたシチューは
なんの味もしなかった
🐯side end
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。