ラウ「うん、これでいいや!」
着せられたのはブカブカのパーカー
ラウ「これなら首もあんま見えないし、いつもと同じ格好でしょ?」
「ラウちゃん、ごめんね」
ラウ「ごめんねはさっき沢山聞いたよ。あなたちゃんは何も悪いことしてないから」
今日ばっかりはラウちゃんの方が年上みたい
沢山頭を撫でてもらって
沢山抱きしめてもらった
ラウ「俺ここ来てすぐはふっかさんにこうしてもらってた」
ふふふと天使みたいに笑って
私の背中を優しく撫でた
ラウ「大丈夫。あなたちゃんには俺たちがいるから」
そう言って優しく私の唇を奪った
ラウ「これはしてもらってないけど、秘密ね」
可愛い彼の男らしい所
それはきっとみんなの背中を見てきたからこその
優しい男らしさなんだろう
ラウ「よし、下行こうか!俺着替えてから行くね」
「ごめ、」
ラウ「ごめんねはいらないよ」
被せ気味に聞こえた声に
下手くそな笑顔をつくって
「ありがとう」
と伝えた
そしたら彼も笑って
ラウ「どういたしまして」
って
これだけで幸せだった
また零れそうな涙を見せまいと
さっと部屋の外に出て
ゆっくり階段をおりた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!