3人でわいわいと話していたら
上から亮ちゃんが降りてきた
亮平「目黒、顔平気?」
蓮「大丈夫」
亮平「ビックリしたよ。ドア開けたら目黒がいたから」
「え?」
思わず声が出た
私、てっきり翔太と喧嘩したのかと思ってた
蓮と目を合わせると
蓮がにやりと笑った
亮平「あ、言わない方がよかった?」
蓮「いや?勝手に勘違いしちゃったんだもんね?」
なんて言って私の顔を覗く
「もう、きらいっ」
口ではそう言ってるけど
心では安心
思っていたよりかは壁は高くなくて
きっとこの人なら簡単に壁を壊すだろうななんて
亮平「昼、食べよっか」
ラウ「舘さんつくってた?」
亮平「つくってたよ」
2人がキッチンに歩いていく
私もなにか手伝わなきゃと思って
立ち上がるとそっと手が引かれて
蓮とキスをしてた
蓮「いつかは俺のあなたになってよ」
切なそうに私を見上げる
彼の顔を見るたびに樹の言葉が脳をよぎる
樹『恋愛解禁すればいいじゃん』
樹はそうやって私の脳内で微笑む
でも、わからない
翔太は恩人で特別で
蓮も特別な存在で
どちらかを選んでしまったら
翔太と蓮の間に
高い壁が出来てしまう気がしてならない
蓮「今すぐじゃなくていいよ」
そんな私を見て
優しく頭を撫でてキッチンに消えていった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。