頭の中が真っ白
辰哉「あなた?」
やってしまった
ボロボロと涙が出る
あぁ、こんなに弱いはずじゃないのに
辰哉「あなた?!」
「どうしよう、ラウちゃんに酷いことした」
辰哉「とりあえずリビング行く?」
私をそっと支えてリビングのソファーに腰を下ろす
辰哉「ラウールになんだって?」
「嘘ついちゃった」
辰哉「まぁ誰にだって秘密にしたいことはあるしなぁ」
「でも・・・」
辰哉「あなたが悪く思う必要ないよ」
ふっかは優しく笑った
いつも思う、誰かに許されると
全て許された気になって楽になってしまう
「ちゃんと話した方がいいかな。全部」
辰哉「あなたが秘密にしたいことを無理に言わなくてもいいよ?」
「傷つけちゃうじゃん」
どっちが正解なんだろうって
毎回、好きな人と大切な人ができる度に思う
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。