第139話

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2020/05/16 18:11
用事があるからと康二くんと別れて

最近見つけた

人通りが少ない高台にある公園に行った

夜に来たのは初めてで

いつもはご老人が座っているベンチに

私が1人で腰掛ける

色んなことが脳内をぐるぐる回る

黄色い信号が何度も何度も私を止めて

前に進めない

そうしている間に

翔太と蓮は日に日に仲が悪くなっていく気がする


辰哉「よう、家出少女」


「少女って歳じゃないよ」


辰哉「20歳が何言ってんだ」


ガサッとコンビニの袋を置いて

私の隣に座った


辰哉「買いすぎたから食っていいよ」


中を見るとおにぎり2つとパン2つ

私はおにぎりを持って

もう1つをふっかにわたした


辰哉「あなたさあ、翔太のこと期待させんなよ」


「期待、させてた?」


辰哉「最初は特別な人って言ってたじゃん」


翔太は今でも特別な人だけど

それが恋愛に発展するとは思ってなかった


辰哉「俺たち出会って長いからさ、あんま悲しませないでやってよ。俺も悲しくなるし。」


ふっかは隣で空を見上げていた

出会って長い友達を思って自分も悲しくなるなんて

そんなこと私にはなくて少し羨ましくなった


「気をつけるね」


辰哉「わざとじゃないのはわかってんだけどさ。ごめんね」


「ふっかは悪くないよ」


ふっかの隣から離れてブランコに腰を下ろした

それから思いっきりこいで

空を蹴飛ばしてやった

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