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第153話

エピローグ
14,199
2020/05/31 14:57
始発電車に乗る頃には雨が降っていた

傘は傘立てに置きっぱなし

もう亮ちゃんはいない


「もしもし?ほく?うん、もう着くから」


兄に電話をして

建物から出る

途端に雨は私を攻撃するんだ

でも今日は味方でいてくれるみたい

泣き顔が上手に隠れるもん


北斗「お前びしょびしょじゃん」


「ごめんなさい。あのね、私、もうわかんないよ」


差し出された傘の中に入り

目の前のほくのマンションに入る


北斗「俺が出張中は自由に使っていいから。とりあえず風呂入ってこい」


ぽいっとお風呂に入れられて

お風呂のお湯が温かくてまた泣いた


北斗「樹からだいたい聞いたけど」


温かいミルクが入ったコップが出される


北斗「俺も樹と同じ意見」


自分は冷蔵庫に体を預けて飲み物をすする


「もし、私のせいで仲悪くなっちゃったら?家族がいなくなっちゃったら?私みたいになっちゃうんじゃないかな」


北斗「お前ごときがその人の周りの人間関係壊せると思うなよ。もし壊れてもあなたがいてやればいいじゃん」


ほくと話をしていたらストンと心の穴が塞がった

それと同時に気持ちが溢れた


「ねぇほく、私、蓮と恋人になりたかった」


言葉に出すとさらに実感する

彼が好き。大好きだと

泣きながらほくに抱きついた


北斗「ほんっとあなたってなんでこんな不器用かね」


優しい兄の胸で沢山泣いて夜が明けた

この町のどこかで

また彼に会えた時は

素直な私で会えますように・・・。
















「石 鹸。」 ……To be continued

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