憧れていたはずの家族とは
こんなにも眩しくて脆いものなのだと思った
「わかった、気をつけるね」
辰哉「みんな本当に心配だったんだからね。翔太に言えない事なら俺とか他の人に言っていいんだよ?」
「うん。ごめんなさい。」
私が言えたのはここまでだった
ふと止まった私を見てふっかは心配そうに
私の顔を覗いた
辰哉「あなた?」
「あー、えっと」
完全に言葉を見失った私を見て
ふっかは笑って私の頭を優しく撫でた
辰哉「俺に言えないことは無理して言わなくていいよ」
そんなふっかをみていてふと思ったんだ
「ふっかは優しすぎるくらい優しいね」
辰哉「褒めてんの?」
「褒めてるけどちょっと不安だよ。ダメになりそう」
辰哉「なんだそれ」
ニコニコ笑うふっかはまた私の頭を撫でた
辰哉「俺から見たら20歳も子供だからな」
はい、話終わり
そう言って2人で部屋を出た
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。