さっきの約束がキラキラ輝いて
私のスケジュール帳を彩った
今まで無機質な時間が並べられたそこに
はじめて文字が並んだ
なんだか嬉しい
弾んだ気分のまま最近している物に手を伸ばした
「負け犬の遠吠え」
ボソッと呟いて消える自分の声
これはなんだか悔しい
明日の日付を端っこに書いて
今まで私の生きてきた証を書き記す
正直に書ける所まで
写真を貼って封筒に大切に入れると
コンコンとドアがノックされた
私はサッと引き出しに封筒を入れた
蓮「よ」
なにか嬉しそうに入ってきて
私のベットに腰掛けた
蓮「ラウールの文化祭さ、午後からラウールも一緒にまわれるんだって」
「午前中は?」
蓮「シフト入ってるって言ってた」
「ラウちゃん何するの?」
蓮「あなたちゃんには秘密って言ってた」
「なにそれー」
かわいい秘密に思わず笑ってしまう
そんな私の手を蓮が引いた
蓮「ねえ、消えないでよ」
「消えないよ?」
蓮「明日いなくなってそうで怖い」
ぎゅっと抱きしめる腕は
少し震えてるような気がした
「まだ、大丈夫」
そんな私の声も震えてた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。