隠れていた場所からグイッと引かれる
周りの男の子達は私を見て驚いている
蓮「どうしたの?」
「ちょっとお出かけしてて」
蓮にそう言うと
蓮は私の手を取って歩き出した
蓮「あれ?この後授業あったっけ?」
友達に聞くと「あるだろ!」とツッコミが
蓮「授業より彼女だわ」
そう私を抱きしめると
周りからは冷やかしが
そんな冷やかしもフッと笑い飛ばす
それから私の手を取って
前に行った学食に行った
蓮「座ってて?」
「うん」
テーブルにリュックを置いて
そのままどこかに行ってしまった
海人「あなた・・・?」
聞こえないはずの声が聞こえて
心臓がドキッと音を立てる
「うみくん?」
海人「え、ほんとに?」
うみくんは私を疑っているみたい
海人「なに、してるの?」
そう心配そうに私に近づくうみくん
蓮「俺の女になんか用?」
それをさえぎるように蓮が間に入った
海人「え、しめは?」
蓮の言葉にうみくんが混乱する
海人「あ、もしかして秘密の方が」
「うみくん、龍ちゃんとは縁切ったの。ごめんね。惑わせちゃって」
蓮の腕をそっと掴みながらうみくんに言うと
うみくんは「なるほどね」と呟いた
海人「じゃあバイバイだね」
悲しそうに笑う
所詮はお客さん
お店をやめた私とはもうきっと会うことはない
「今までありがとう。うみくん」
海人「次は幸せになってね」
そう言って外に出ていった
出た先にはお友達が待っている
学校ってすごいと思った
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。