ぎゅっと抱きしめられる


「翔太？」


翔太「うるさい、黙ってて」


少し震えているような声と体

そんな翔太を私もそっと包み込んだ

翔太とは友達以上になってしまったけれど

それだけだと自分に言い聞かせる

助けてくれたから特別なんだよって


「翔太、ごめんね」


翔太「俺さ、恋人でもないのに重いよね」


小さな声が耳元に聞こえる


「誰かに言われたの？」


翔太「涼太」


詳しく聞くと

家を飛び出して追いかけて行った亮ちゃんの後

すぐに飛び出そうとした翔太を涼太が止めたらしい

その時に

『翔太はあなたの恋人じゃないんだから。みんな心配なのは一緒だよ。翔太だけ特別なのはずるいでしょ』


って怒られたらしい


「涼太らしいね」


翔太「元はお前のせいだからな」


「うん、ごめんね」


翔太「はやく風呂はいってこい」


ぺいっと部屋から押し出された