目が覚めるとまだ周りは暗かった
涼太「あ、起きた?」
ソファーで涼太の膝を枕にして寝ていた
「ごめん涼太」
涼太「大丈夫、とりあえず水飲みな?」
コップをスっとわたしてくれた
きっと準備していてくれたんだと少し嬉しくなる
水を飲むと
優しく頭を撫でて
涼太「なにかあった?」
と顔を覗かれた
「んーん、嫌いなお仕事頑張ったから」
そう咄嗟に嘘をついた
涼太「毎回お酒飲んで帰ってくるの?」
「うん」
きっと酔っ払ってヘロヘロになって帰ってきて
寝ても忘れないんだ
悲しいな
涼太「そっか、じゃあ毎回こうして運んであげる」
そう言うと
私を優しく起こしてからお姫様抱っこをして
ふんわり笑ってくれた
涼太「あなたが安心して帰って来れますように」
そんな彼に連れられて
彼の部屋のベットに優しくおろされた
涼太「ゆっくり寝て。おやすみ。」
「後で、抱き締めてね」
私の言ったことに返事はせずに
彼はまた部屋を出ていった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!