第17話

病院2
1,113
2021/04/20 14:15
先生
……
…確かに初めましてと言わなかった
でもカルテが残っているような感じは……
先生
あなたさん、少し席を外して貰えますか?
あなた

…?はい。

そのあと先生と僕だけになった
夏喜
夏喜
あの…
先生
…度々起こる症状についてあなたさんからなにか話されましたか?
夏喜
夏喜
…いや、特に…
夏喜
夏喜
あ、でも…
夏喜
夏喜
存在しない過去なんかあるかな、って
夏喜
夏喜
言われたことはあります
先生
!…
夏喜
夏喜
あの…なにか、問題でも…
先生
…あなたさんが言ったように私は今日が初対面ではありません
夏喜
夏喜
え、…?









______________________
あなたsaid.
病院は嫌いではなかった
でもある時を境に嫌いになった
ある日突然、死への恐怖が強くなった
前までは、病院へ来てもなんとも思わなかった
新生児が泣いている姿やリハビリを頑張っている人達
そんな人達を目にすることが多かったのに…
今では、走っている医者や、何かを告げられた顔の人
何かを失った人、目が真っ赤になるほど泣いている人
そんな人達にしか目がいかない
緊迫した状況、音、空気
なにもかもが私の不安材料になっていく
ピーピー
あなた

っ……

また流れてくる
ジジジ…
今度は病室
いつもの男性が病室のベッドに腰掛けている
そして変わらず私の方を向いて笑顔で話している
それからなにやら気合いを入れて
そこで話は途切れた
あなた

………

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